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第三条は「過労運転等の防止」という条見出しの一つの条文ですが、項によって主語が「一般貨物自動車運送事業者等」と「貨物自動車運送事業者」に分かれています。どの項が自分に関係するかを主語で見分け、関係する項で何を用意するかを確認すれば、このページの確認は終わりです。
個人事業主が自分で運転する場合も、勤務時間の基準と健康状態の把握の対象に本人が含まれる、と国土交通省の通達に書かれています。
このページは条文の主語と通達の記載を並べたものです。自分の事業に当たるかどうかの個別の判断は、管轄の運輸支局等で確認してください。
主語で分かれる二つのグループ
第三条第一項・第二項・第七項は、主語が「一般貨物自動車運送事業者等」、又はその第一項を受けた規定です。「一般貨物自動車運送事業者等」は、同じ規則の第二条の七で、一般貨物自動車運送事業者と特定貨物自動車運送事業者を指すと定められており、貨物軽自動車運送事業者は含まれません。第八項は特別積合せ貨物運送を行う一般貨物自動車運送事業者だけが対象です。
第三項から第六項までの主語は「貨物自動車運送事業者」です。貨物自動車運送事業法第二条第一項は、貨物自動車運送事業を一般・特定・貨物軽自動車運送事業の三つと定め、同法第三十九条第一号はこの三つの事業者をまとめて「貨物自動車運送事業者」と呼んでいます。同じ輸送安全規則の第八条(業務の記録)も「貨物自動車運送事業者(貨物軽自動車運送事業者にあっては、四輪以上の軽自動車を使用して貨物を運送する事業者に限る。)」と書き、この語に貨物軽自動車運送事業者が含まれる前提をとっています。第三条には、第八条のような四輪以上の軽自動車に限る書き方はありません。
第三条の項ごとの対応表
表は横にスクロールできます。
| 項 | 条文の主語 | 内容の要旨 | 貨物軽自動車運送事業者 |
|---|---|---|---|
| 第一項 | 一般貨物自動車運送事業者等 | 事業計画に従い業務を行うのに必要な員数の運転者等を常時選任しておく。 | 主語に含まれない |
| 第二項 | (第一項で選任する運転者等についての定め) | 第一項で選任する運転者等は、日々雇い入れられる者、二月以内の期間を定めて使用される者、試みの使用期間中の者(十四日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)であってはならない。 | 第一項の選任を受けた規定 |
| 第三項 | 貨物自動車運送事業者 | 乗務員等が有効に利用できるよう、休憩に必要な施設を整備し、睡眠を与える必要がある場合は睡眠に必要な施設も整備して、適切に管理・保守する。 | 主語に含まれる |
| 第四項 | 貨物自動車運送事業者 | 休憩・睡眠の時間と勤務終了後の休息の時間が十分確保されるよう、国土交通大臣が告示で定める基準に従って運転者の勤務時間と乗務時間を定め、守らせる。 | 主語に含まれる |
| 第五項 | 貨物自動車運送事業者 | 酒気を帯びた状態にある乗務員等を事業用自動車の運行の業務に従事させない。 | 主語に含まれる |
| 第六項 | 貨物自動車運送事業者 | 乗務員等の健康状態の把握に努め、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由で安全に運行の業務を遂行し、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員等を従事させない。 | 主語に含まれる |
| 第七項 | 一般貨物自動車運送事業者等 | 長距離運転又は夜間の運転で、疲労等により安全な運転を続けられないおそれがあるときは、交替する運転者をあらかじめ配置する。 | 主語に含まれない |
| 第八項 | 特別積合せ貨物運送を行う一般貨物自動車運送事業者 | 起点から終点までの距離が百キロメートルを超える運行系統ごとに、運行の業務に関する基準を定める。 | 主語に含まれない |
第四項: 勤務時間と乗務時間の基準(個人事業主本人を含む)
国土交通省の通達「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」(最終改正 令和8年6月26日)は、第四項の運転者に、個人事業主、同居の親族、法人の業務を執行する役員など(通達では「事業主等」)が運転する場合の本人も含めています。勤務時間と乗務時間を定めるときの具体的な基準として、通達が挙げているのは次の二つです。
- 貨物自動車運送事業の事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準(平成13年国土交通省告示第1365号。通達では「勤務時間等基準告示」)
- 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部改正等について(令和4年12月23日付け基発1223第3号)
同じ通達は、事業主等が運転者になる場合の拘束時間について、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第7号)で定める労使協定により延長できる範囲を超えないものとし、労使協定を結んでいない場合も同じ範囲を超えないものとしています。通達のこの書き方では、事業主等本人の拘束時間にも、労使協定で延長できる範囲が上限として当てはめられます。拘束時間の具体的な時間数は、このページでは扱いません。上の告示の原文で確認してください。
第六項: 健康状態の把握の中身(健康診断)
同じ通達は、第六項の「健康状態の把握」を、乗務員等が受診する労働安全衛生法第66条第1項の健康診断と同条第4項の指示を受けて行うべき健康診断を行うこと、並びに同条第5項ただし書きの場合に乗務員等が受診した健康診断の結果を提出させること、と説明しています。ここでいう乗務員等には、事業主等が運行の業務に従事する場合の本人も含まれます。
第六項の「その他の理由」について、通達は覚せい剤等の薬物の服用、異常な感情の高ぶり等を挙げています。
第三項・第五項: 休憩施設と酒気帯び
第三項について、通達は、休憩・睡眠施設があっても、実際に休憩等を必要とする場所に設けられていない施設、寝具等必要な設備が整えられていない施設、施設・寝具等が不潔な状態にある施設は「有効に利用することができる施設」に当たらない例としています。
第五項の「酒気を帯びた状態」について、通達は、道路交通法施行令第44条の3に規定する血液中0.3mg/mℓ又は呼気中0.15mg/ℓ以上であるか否かを問わない、としています。運行前の確認の流れは日常運行で最初に確認することで確認できます。
次に確認するページ
第三条以外に貨物軽自動車運送事業者に適用される条文は貨物軽自動車に適用される輸送安全規則の条文で確認できます。運転者ごとに残す記録は業務記録の記載事項・保存期間、運転者への毎年の指導は一般的な指導及び監督の対象・頻度・記録で確認できます。
公式根拠
条文はe-Gov法令検索の貨物自動車運送事業輸送安全規則(第二条の七・第三条・第八条)とe-Gov法令検索の貨物自動車運送事業法(第二条・第三十九条)、通達の記載は国土交通省の貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について(PDF)で、2026年9月27日に確認しました。
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