乗務前の自己確認

運転者の薬物使用・服薬と運転(条文・通達・指針の記載)

覚醒剤等の薬物の服用と、眠気を起こす医薬品の服用について、貨物自動車運送事業輸送安全規則、国土交通省の通達と指針、道路交通法が何と書いているかを並べます。一人事業主が乗務前に自分で確かめる項目に整理します。医学的な判断は扱いません。

このページで終える確認

薬の影響が残ったまま運転しないことは、事業用の運転では最も基本の確認です。このページでは、薬物の服用と運転について、条文・通達・指針・道路交通法の記載を、原文で確かめた範囲だけ整理します。健康状態そのものの把握は健康起因事故対策の公式マニュアル5種と条文の範囲、乗務前の酒気帯び確認は酒気帯び確認と点呼で別に確認できます。

通達は、条文の「その他の理由」に、覚せい剤等の薬物の服用を挙げています。薬の影響で安全に運転できないおそれがある日は、乗務させない(一人事業主なら乗務しない)ことが条文上の筋道です。

条文・通達・指針・道路交通法の記載

表は横にスクロールできます。

薬物の使用・服薬と運転に関する4つの記載
出典書かれていること
貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条第6項貨物自動車運送事業者は、乗務員等の健康状態の把握に努め、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全に運行の業務を遂行することができないおそれがある乗務員等を、運行の業務に従事させてはならない。
国土交通省の通達「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」(第3条第6項関係)「その他の理由」とは、覚せい剤等の薬物の服用、異常な感情の高ぶり等をいう。
国土交通省の指導及び監督の指針(運転者の生理的及び心理的要因の項目)過労、睡眠不足、医薬品等の服用に伴い誘発される眠気、飲酒が身体に与える影響等の生理的要因が交通事故を引き起こすおそれがあることを理解させる。運転中に疲労や眠気を感じたときは運転を中止し、休憩するか睡眠をとるよう指導するとともに、飲酒運転、酒気帯び運転及び覚せい剤等の使用の禁止を徹底する。
道路交通法第66条(過労運転等の禁止)何人も、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。

確認日: 2026年10月12日。条文は e-Gov法令検索、通達と指針は国土交通省のPDFの原文で確認しました。

条文の主語は「貨物自動車運送事業者」で、貨物軽自動車運送事業者も含まれます。通達は、事業主等が運行の業務に従事する場合には、その本人も乗務員等に含めて説明しています。道路交通法第66条は「何人も」で、事業用かどうかにかかわらず運転する人すべてが対象です。

眠気を起こす薬を飲んだときの考え方

指導及び監督の指針は、医薬品等の服用に伴って眠気が誘発されることを、事故の生理的要因の一つに挙げています。どの薬がどの程度の眠気を起こすかは、このページでは扱いません。薬の添付文書に運転についての注意があるときや、眠気が残るときは、医師・薬剤師に相談してください。

点呼の確認事項に「服薬」が書かれているとは確認できていません。

輸送安全規則第7条第1項第2号が点呼で確認する事項は「疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無」です。服薬の項目は条文に書かれていません。薬の影響で安全に運転できないおそれがあれば、この「おそれの有無」に含めて確認する、というのがこのページの整理で、国土交通省が服薬の確認方法を定めているという意味ではありません。

一人事業主の自己確認5項目

通達の記載の範囲で、乗務前に自分で確かめる項目を並べます。

一人事業主が乗務前に確かめる5項目
確認する項目根拠
覚醒剤等の薬物を使用していない(影響が残っていない)通達(第3条第6項関係)、指導及び監督の指針、道路交通法第66条
服用した薬に運転への注意が書かれていないか、添付文書を確かめる指導及び監督の指針(医薬品等の服用に伴う眠気)
眠気やぼんやり感が残る日は乗務しない輸送安全規則第3条第6項、道路交通法第66条
運転中に眠気を感じたら運転を中止して休憩する指導及び監督の指針
確認した結果を、乗務前点呼の記録の「疾病、疲労、睡眠不足等の状況」に残す輸送安全規則第7条、通達(業務前点呼の記録事項)

点呼記録の保存期間などは記録の保存期間一覧で確認できます。

よくある質問

出典は貨物自動車運送事業輸送安全規則(第三条・第七条)、道路交通法第六十六条(いずれもe-Gov法令検索)、国土交通省の通達と指導及び監督の指針です。いずれも2026年10月12日に確認しました。個別の判断は管轄の運輸支局等で確認してください。

Q1. 風邪薬や花粉症の薬を飲んだら運転できませんか。
A. 条文・通達・指針は、個々の薬の可否を定めていません。眠気が出るなど安全に運転できないおそれがあるかどうかで判断する、というのが記載の筋道です。薬ごとの判断は医師・薬剤師に相談してください。

Q2. 薬物を使用していないかを確認する検査は義務ですか。
A. 輸送安全規則第7条が確認を求めている事項のうち、器具を使った確認が条文に書かれているのは酒気帯びの有無(アルコール検知器)です。薬物の検査は、このページで確認した条文には書かれていません。

Q3. 薬物の使用が分かったときの処分はどうなりますか。
A. このページでは扱っていません。行政処分の基準は罰則・行政処分の基準で確認できます。

公式根拠

第3条第6項・第7条第1項はe-Gov法令検索の貨物自動車運送事業輸送安全規則、「その他の理由」の説明は国土交通省の通達「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」(PDF)、眠気と覚せい剤等の使用の禁止は指導及び監督の指針(PDF)、道路交通法第66条はe-Gov法令検索の道路交通法で確認しました(確認日: 2026年10月12日)。

次に確かめること: 眠気への備えは居眠り運転・眠気への備え、運転者への指導の記録は一般的な指導及び監督の対象・頻度・記録で確認できます。

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