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貨物軽自動車運送事業者は、貨物自動車運送事業輸送安全規則第10条第1項に基づき、事業用自動車の運転者に対する「一般的な指導及び監督」を行う義務があります。これは特定運転者への対応で扱う初任運転者・高齢運転者・事故惹起運転者向けの特別な指導(同条第2項)とは別の、運転者全員を対象とする指導です。
対象が運転者全員であること、年1回実施すること、記録して3年間保存することを確認すれば、このページの確認は終わりです。
対象となる運転者・根拠条文
貨物自動車運送事業輸送安全規則第10条第1項は、貨物自動車運送事業者に対し、事業用自動車の運転者に対する適切な指導及び監督を行うことを義務付けています。業務の記録(第8条)にあるような「貨物軽自動車運送事業者にあっては、四輪以上の軽自動車を使用して貨物を運送する事業者に限る」という事業者の範囲を限定する文言は、第10条第1項の条文には付いていません。第10条以外に貨物軽自動車に適用される条文は、貨物軽自動車に適用される輸送安全規則の条文対応表で一覧できます。
この義務の実施方法は、「貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針」(平成13年8月20日国土交通省告示第1366号)で定められています。国土交通省はこの告示の解説として、貨物軽自動車運送事業者向けの実施マニュアルを公開しており、その対象は個人事業主を含むすべての貨物軽自動車運送事業者としています。
実施頻度・記録事項・保存期間
告示第一章の柱書は、運転者に対する指導及び監督を毎年実施し、その日時、場所及び内容並びに指導及び監督を行った者及び受けた者を記録し、かつ、その記録を営業所において3年間保存するものと定めています。第10条第1項の条文自体も同じ記録・保存を義務付けています。
告示・条文は実施頻度を「毎年」と定めていますが、年度内のいつ実施するかまでは指定していません。自社の実施計画は公式資料と管轄の運輸支局等で確認してください。
指導及び監督の内容(12項目)
告示は、指導及び監督の内容として次の12項目を挙げています。詳細な進め方は、国土交通省の実施マニュアルに項目ごとの解説とチェックポイントが示されています。
表は横にスクロールできます。
| 号 | 内容 |
|---|---|
| (1) | 事業用自動車を運転する場合の心構え |
| (2) | 事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき基本的事項 |
| (3) | 事業用自動車の構造上の特性 |
| (4) | 貨物の正しい積載方法 |
| (5) | 過積載の危険性 |
| (6) | 危険物を運搬する場合に留意すべき事項 |
| (7) | 適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況 |
| (8) | 危険の予測及び回避並びに緊急時における対応方法 |
| (9) | 運転者の運転適性に応じた安全運転 |
| (10) | 交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因並びにこれらへの対処方法 |
| (11) | 健康管理の重要性 |
| (12) | 安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法 |
危険物を運搬しない、けん引を行わないなど、自社の事業実態に該当しない項目があっても、12項目は告示が示す内容の一覧であり、該当しない項目を省略してよいかどうかはこのページで判断しません。自社の実施内容は公式資料と管轄の運輸支局等で確認してください。積載に関する禁止事項は過積載の禁止で確認できます。
(11)の健康管理と関わる、輸送安全規則第三条第六項の健康状態の把握(健康診断)と、個人事業主本人を含む勤務時間の基準は、過労運転等の防止(輸送安全規則第三条の適用表)で確認できます。健康診断の時期と結果の扱いは運転者の健康診断、大雨・大雪などのときの運行の判断は異常気象時の措置で確認できます。
指導の題材にできる交通ルールのページ一覧
運転者への指導で取り上げやすい交通ルールを、詳細ページへの入口として並べます。この表で新しい事実は増やしておらず、各ページが条文や公式資料で確認した内容と確認日を、そのまま示しています。どの項目を指導に含めるかは、自社の事業実態に合わせて決めます。
表は横にスクロールできます。
| 題材 | ページが扱う内容 | 各ページの確認日 |
|---|---|---|
| シートベルトの着用義務 | 運転者本人と同乗者の着用義務、違反点数、配達で頻繁に乗り降りする区間の免除 | 2026年10月13日 |
| 運転中のスマートフォン・配達アプリ操作 | 禁じられる行為の内容と罰則の2段階 | 2026年10月10日 |
| 横断歩道の一時停止 | 道路交通法第38条の速度・一時停止・停止車両の側方通過 | 2026年10月13日 |
| 住宅街・通学路での配送走行 | 道路交通法第71条の歩行者の保護と停車時の確認 | 2026年10月14日 |
| 地震・津波の発生時の運転と運行判断 | 運転中の揺れでの停止・車を置くときの方法と通行禁止区域の車両の扱い | 2026年10月14日 |
| 豪雨・冠水路での運行判断 | 冠水した道路へ進入しない確認項目と浸水後の点検 | 2026年10月14日 |
| 追突・出会い頭事故の防止 | 国土交通省の事務連絡が示す指導の3点 | 2026年10月13日 |
| 後退時の安全確認 | 配送先の駐車場や構内でバックするときの確認事項 | 2026年10月11日 |
| 集配中の駐車規制 | 除外区間・貨物専用枠・駐車許可の3つの仕組み | 2026年10月10日 |
| 高速道路の安全対策 | 合流の義務、車間距離の目安、故障したときの表示と避難、停車の禁止、休憩の取り方 | 2026年10月13日 |
| 踏切の通過と立ち往生の措置 | 道路交通法第33条の停止と安全確認、進入禁止、立ち往生したときの措置 | 2026年10月13日 |
| 信号機が消えている交差点の通り方 | 停電・故障時の道路交通法第7条・第36条・第37条・第42条の原文と、警察官がいるとき・いないときの違い | 確認日は各ページの記載 |
| 夜間・薄暮時の灯火 | 灯火をつける時間、前照灯の早め点灯、ハイビームとロービームの使い分け | 2026年10月13日 |
| 荷台に人を乗せる場合 | 道路交通法第55条・第56条第2項の原文 | 2026年10月12日 |
| 薬物使用・服薬と運転 | 条文・通達・指針の記載を、乗務前に確かめる項目に整理 | 2026年10月12日 |
特定運転者への特別な指導との違い
同じ第10条には、特定の運転者を対象とする第2項があります。第2項は、死者又は負傷者が生じた事故を引き起こした者、運転者として新たに雇い入れた者(貨物軽自動車運送事業者にあっては、初めて事業用自動車に乗務する者)、65歳以上の高齢者の3区分に限り、特別な指導と適性診断の受診を義務付けています。この3区分ごとの内容・時間は初任運転者への特別な指導、高齢運転者の適齢診断、適性診断の受診先・費用で個別に確認できます。
表は横にスクロールできます。
| 区分 | 対象 | 頻度 |
|---|---|---|
| 一般的な指導及び監督(第10条第1項) | 運転者全員 | 毎年 |
| 特別な指導・適性診断(第10条第2項) | 初任運転者・65歳以上の高齢運転者・死者又は負傷者が生じた事故を引き起こした運転者 | 対象となった都度(初任・事故惹起)、3年ごと(高齢運転者の適齢診断) |
選任・届出・指導・記録・定期講習を行う時期ごとに並べた表は、安全対応の手続き順で確認できます。
よくある質問と記録の書き方の例
回答は、このページの「実施頻度・記録事項・保存期間」で確認した告示(平成13年国土交通省告示第1366号)と輸送安全規則第10条に基づきます。個別の適合は管轄の運輸支局等で確認してください。
Q1. 運転者が自分1人の個人事業主でも、一般的な指導及び監督は必要ですか。
A. 国土交通省の実施マニュアルは、対象を個人事業主を含むすべての貨物軽自動車運送事業者としています。自分自身への指導をどう実施し記録するかは、公式資料と管轄の運輸支局等で確認してください。
Q2. 実施は年に何回ですか。
A. 告示は「毎年実施」と定めています。年度内のどの時期に何回に分けるかは、告示・条文には書かれていません。
Q3. 記録には何を書きますか。
A. 告示は、日時、場所及び内容、指導及び監督を行った者、受けた者を記録するものとしています。下の記入例で、1回分の書き方を示します。
Q4. 記録はどこに、何年保存しますか。
A. 営業所に3年間保存します。第10条第1項の条文も同じ記録と保存を義務付けています。
Q5. 初任運転者への特別な指導をしたら、一般的な指導は済んだことになりますか。
A. 第10条第1項(全員に毎年)と第2項(特定運転者)は別の定めです。このページの「特別な指導との違い」の表のとおり、対象と頻度が異なるため、一方を他方の代わりにできるとは、確認した資料には書かれていません。
表は横にスクロールできます。
| 記録事項 | 記入例 |
|---|---|
| 日時 | 2026年10月5日 14時00分から15時30分 |
| 場所 | ○○運送(架空)の営業所の事務室 |
| 内容 | 告示の12項目のうち、(5)過積載の危険性、(8)危険の予測及び回避並びに緊急時における対応方法、(11)健康管理の重要性 |
| 指導及び監督を行った者 | 運送太郎(架空) |
| 指導及び監督を受けた者 | 配送花子(架空)、宅配次郎(架空) |
この例は書き方を示すための架空のもので、12項目のうちどれを何回に分けて実施するかは、自社の実情に合わせて決めます。
指導及び監督の違反に対する処分の基準は行政処分の基準で確認できます。運転者を雇う少数台事業者の確認事項は規模別の違いにまとめています。
公式根拠
根拠条文は、e-Gov法令検索の貨物自動車運送事業輸送安全規則(第八条・第十条)で確認できます。実施内容・頻度・記録の定めは、国土交通省の一般的な指導及び監督の実施マニュアル(貨物軽自動車運送事業者編)巻末に掲載された告示原文(平成13年8月20日国土交通省告示第1366号)で確認しました。
次に確かめること: 運転者への指導の題材として、高速道路は高速道路での安全対策、踏切は踏切の通過と立ち往生の措置、夜間・薄暮時は夜間・薄暮時の灯火と事故防止、安全対策の期限を月ごとに並べた表は安全対策の期限の暦で、選任・届出・定期講習の日付計算は選任・届出・定期講習の期限計算で確認できます。
指導の材料になる事故の特徴は軽貨物の事故の特徴で、後退時の確認は後退時の安全確認で確認できます。
次に確認すること
指導をした日付と内容の書き方は記録の確認、事故・初任・高齢の運転者に行う特別な指導は特定運転者3区分の比較、運転者ごとの記録の様式は運転者台帳、全体の対応順は対応順のチェックリストで確認できます。
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