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貨物自動車運送事業輸送安全規則第8条は、貨物軽自動車運送事業者(四輪以上の軽自動車を使用して貨物を運送する事業者)を含む貨物自動車運送事業者に対し、運転者等ごとに業務の記録を作成し、1年間保存することを義務付けています。第8条以外に貨物軽自動車に適用される条文は、貨物軽自動車に適用される輸送安全規則の条文対応表で一覧できます。
条文の10号のうち軽貨物に関係する8項目と、保存期間1年間・様式が自由であることを確認すれば、このページの確認は終わりです。
記録する項目(条文10号のうち軽貨物は8号)
第8条第1項は、運転者等ごとに次の10号を記録するよう定めています。このうち貨物軽自動車運送事業者に関係するのは、一〜五号と七〜九号の8項目です。
六号は車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上の普通自動車が対象で、四輪以上の軽自動車には通常該当しません。十号は運行指示書による指示の記録です。運行指示書を定める第九条の三は一般貨物自動車運送事業者と特定貨物自動車運送事業者が対象のため、貨物軽自動車運送事業者には該当しません。国土交通省が示す貨物軽自動車向けの様式例にも、六号・十号に当たる欄はありません。
8項目のうち、一〜三号は毎回記録し、四号・五号・七〜九号は、その事実があった場合に記録します。
表は横にスクロールできます。
| 号 | 記載する内容 | 貨物軽自動車運送事業者の場合 |
|---|---|---|
| 一 | 運転者等の氏名 | 記録する |
| 二 | 事業用自動車の自動車登録番号又は車両番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示 | 記録する |
| 三 | 業務の開始及び終了の地点及び日時並びに主な経過地点及び業務に従事した距離 | 記録する |
| 四 | 業務を交替した場合にあっては、その地点及び日時 | 交替した場合に記録する |
| 五 | 休憩又は睡眠をした場合にあっては、その地点及び日時 | 休憩・睡眠をした場合に記録する |
| 六 | 車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上の普通自動車である事業用自動車の場合の貨物の積載状況 | 通常該当しない(普通自動車の運行が対象) |
| 七 | 荷主の都合により集貨又は配達地点で待機した場合の到着・出発日時等 | 荷主の都合で待機した場合に記録する |
| 八 | 集貨・配達地点で荷役作業等を実施した場合の開始・終了日時等 | 荷役作業等を実施した場合に記録する |
| 九 | 交通事故・自動車事故報告規則上の事故、又は著しい運行の遅延その他の異常な状態が発生した場合の概要及び原因 | 事故や著しい遅延などがあった場合に記録する |
| 十 | 第九条の三第三項の指示があった場合の内容 | 該当しない(第九条の三は一般貨物・特定貨物の事業者が対象) |
運転者等ごとの記録に代えて、運行記録計による記録も認められています(第2項)。対象は、道路運送車両の保安基準第48条の2第2項に適合する運行記録計です。運行記録計を使う場合、記録計で記録されない事項は運転者等ごとに付記する必要があります。
具体例で確認する記録項目
表は横にスクロールできます。
| 運行の場面 | 毎回記録する項目(一〜三号) | その場面で追加する項目 |
|---|---|---|
| 交替・待機・荷役・事故のいずれも無かった通常の集配 | 氏名・車両の識別表示・開始及び終了の地点日時等 | 追加なし |
| 業務の途中で運転者が交替した | 同上 | 四号(交替した地点及び日時) |
| 荷主の都合で集貨・配達地点に30分以上待機した | 同上 | 七号(待機の到着・出発日時等) |
| 走行中に交通事故が発生した | 同上 | 九号(事故の概要及び原因) |
実際に記録する内容は、国土交通省の業務記録の様式例やご自身の運行状況に応じて確認してください。走行中の事故は業務記録の九号に加えて、事故の記録(記載事項8項目・3年間保存)も別途必要です。
様式は自由か
第8条の条文は記録する事項を列挙するのみで、特定の様式(書式)を使うことを義務付ける文言はありません。国土交通省の安全対策ページには「業務記録の様式例」が掲載されていますが、これが必須の様式か任意の参考例かを明示する説明は、同ページ上に見当たりませんでした。
様式例は、待機の欄を「荷主の都合により集貨又は配達を行った地点で30分以上待機した場合」としています。条文の第七号には「30分以上」という限定の文言がなく、記録が要る待機の長さの下限は、国土交通省の通達「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」が定めています(次の節)。
条文上は記載事項を満たせば様式を問わないと読めますが、この点を直接明記した公式の説明は確認できていません。運輸支局等の指導内容によって扱いが異なる可能性があるため、判断に迷う場合は管轄の運輸支局等へ確認してください。
記録の省略と電磁的方法
国土交通省の通達「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」は、第8条 業務の記録の項で、業務の記録は運転者等の業務の実態を把握することを目的とするものとし、過労の防止及び過積載による運送の防止等業務の適正化の資料として十分活用するよう、事業者を指導することとしています。その要領のうち、日々の書き方に関わるのは次の3点です。
| 項目 | 通達の定め |
|---|---|
| 休憩 | 10分未満の休憩については、その記録を省略しても差しつかえない(1.(1)) |
| 荷主の都合による待機(第七号) | 集貨地点等における到着日時から出発日時までの時間のうち、業務(荷積み、荷卸し、附帯作業等)及び休憩に係る時間を控除した時間(待機時間)が30分未満の場合は、記録を省略して差しつかえない(1.(3)) |
| 記録・保存の方法 | 「運行記録計による記録等の電磁的方法による記録・保存の取扱いについて」によらず、書面又は電磁的方法による記録・保存のいずれでも差し支えない(1.(4)) |
書面の保存を電磁的記録で行える範囲を定める国土交通省令(平成17年国土交通省令第26号)の別表第一・別表第二で、貨物自動車運送事業輸送安全規則の欄を確認したところ、掲げられている条文は第九条の三(運行指示書)と第九条の五(運転者等台帳)で、第八条(業務の記録)は掲げられていません。そのため、業務の記録をアプリや表計算で保存してよいかは、この省令の別表ではなく、上の表の通達(1.(4))が根拠になります。確認日: 2026年10月9日。出典はe-Gov法令検索の同省令です。
第七号の「荷主の都合」は、事業者としての運行計画又は運行指示によらない、荷主の指示等によるものをいい、事業者の都合により生じた待機時間は含まない、と同じ項で定めています。
業務の記録の義務に違反した場合の行政処分の量定は、軽貨物の行政処分の基準(安全管理者・記録の違反と日車数)で確認できます。
保存期間・保存場所
業務記録は1年間保存します。第8条の条文には、事故の記録(第九条の二)にある「当該事業用自動車の運行を管理する営業所において」のような保存場所を指定する文言がありません。保存場所については、この条文だけでは確認できませんでした。
業務記録以外の点呼記録・事故の記録・運転者等台帳を含めた保存期間の比較は、記録の保存期間一覧で確認できます。
保存期限の計算例(起算日つき)
業務記録の保存は、第8条の「一年間保存」が根拠です。例: 2026年10月6日に行った業務の記録は、2027年10月6日まで保存します。2026年10月7日を1日目と数え、2027年10月6日で1年間になります。廃棄できるのは翌日の2027年10月7日以降です。
例: 運行を月ごとにまとめて入力している場合も、保存期限は業務を行った日ごとに数えます。2026年10月分を11月にまとめて入力しても、10月6日の業務の期限は2027年10月6日、10月31日の業務の期限は2027年10月31日です。月末に1年分を一度に廃棄すると、期限前の記録まで消すおそれがあります。
条文は保存期間の起算日を明記していません。ここでは、初日を数えず翌日から期間を数える一般的な数え方を使った計算例です。実際の取り扱いは、管轄の運輸支局等で確認してください。事故の記録・台帳を含む3ページ分の期限の早見表は、記録の保存期間一覧で確認できます。確認日: 2026年10月6日。出典はe-Gov法令検索の貨物自動車運送事業輸送安全規則(第八条)です。
業務の記録を運行記録計で代えられる条件(第8条第2項)と、貨物軽自動車に運行記録計の装着義務があるかは、運行記録計・ドライブレコーダーの装着義務と記録の扱いで確認できます。
点呼記録簿との違い
業務記録とは別に、国土交通省は点呼記録簿の例を示しています。点呼記録簿は点呼の実施内容を記録するもので、業務記録とは記載する内容が異なります。点呼そのものの実施方法や記録項目は、このデスクでは扱っていません。公式資料で確認してください。事故が発生した場合に残す記録(記載事項8項目・3年間保存)は、業務記録とは別の記録です。詳しくは事故の記録の記載事項・保存期間を確認するで確認できます。
よくある質問
Q1. 軽貨物の業務記録で記録する項目は、いくつありますか。
A. 輸送安全規則第八条第1項は10号を定めていますが、貨物軽自動車運送事業者に関係するのは一〜五号と七〜九号の8項目です。六号は車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上の普通自動車の場合、十号は運行指示書による指示の場合で、後者を定める第九条の三は「一般貨物自動車運送事業者等」を対象にしています。
Q2. 運行記録計で記録していれば、手書きの業務記録は要りませんか。
A. 第八条第2項は、運転者等ごとに記録させる代わりに、保安基準第四十八条の二第二項に適合する運行記録計で記録できるとしています。ただし、記録すべき事項のうち運行記録計に記録されない事項は、運転者等ごとに記録計の記録へ付記させる必要があります。
Q3. 事故や配達の大きな遅れがあったときは、何を書きますか。
A. 第八条第1項第九号は、交通事故や自動車事故報告規則第二条の事故、著しい運行の遅延その他の異常な状態が発生した場合に、その概要及び原因を記録すると定めています。
Q4. 業務記録の保存期間は何年ですか。
A. 1年間です(第八条第1項)。事故の記録の3年間とは別の定めです。
これらの回答の条文は、e-Gov法令検索で2026年10月8日に確認しました。個別の事案への当てはめは、管轄の運輸支局等で確認してください。
次に確認すること
国土交通省の様式例の欄と1日分の書き方は、業務記録の記入例で確認できます。続けて確認したい内容は、運転者ごとに作る運転者等台帳、運転者全員に毎年行う一般的な指導及び監督と、その記録、事故にならなかった出来事の記録で確認できます。荷役作業を行った場合の欄と荷役災害の防止ガイドラインとの関係は荷役作業の災害防止と業務記録で確認できます。
公式根拠
記載事項・保存期間は、e-Gov法令検索の貨物自動車運送事業輸送安全規則(第八条)で確認できます。業務記録の様式例は、国土交通省の貨物軽自動車運送事業における安全対策ページで確認できます。記録の省略と記録・保存の方法は、国土交通省の通達「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」(PDF)の第8条の項で確認できます。
次に確かめること: 安全対策の期限を月ごとに並べた表は安全対策の期限の暦で、選任・届出・定期講習の日付計算は選任・届出・定期講習の期限計算で確認できます。
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