事故の記録

事故の記録の記載事項・保存期間(8項目・3年保存)

事業用自動車に事故が発生した場合に記録する8項目、保存期間・保存場所と、対象となる事故の範囲を確認します。国への提出義務である事故報告書・速報とは別の、営業所で保存する社内記録です。

荷台の扉の前で封筒の書類を確認する配送ドライバー

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「事故記録簿」として探されることの多い書類は、条文では「事故の記録」と呼ばれます。貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条の2は、事業用自動車に係る事故が発生した場合、貨物自動車運送事業者に対し、事故の記録を作成し、営業所において3年間保存することを義務付けています。国土交通大臣への提出が必要な事故報告書・速報の対象・期限は、自動車事故報告書と速報の対象・期限を確認するで別に確認できます。

記録する8項目と、保存期間3年間・保存場所を確認すれば、このページの確認は終わりです。

記録する8項目

第9条の2は、事業用自動車に係る事故が発生した場合に記録する事項として、次の8項目を定めています。このサイトでは記録の様式や入力フォームは配布していません。事業者ごとに、この8項目を満たす様式で作成してください。国土交通省が掲載している様式例の欄との対応は、国土交通省「事故記録の様式例」の欄と8項目の対応で確認できます。第9条の2以外に貨物軽自動車に適用される条文は、貨物軽自動車に適用される輸送安全規則の条文対応表で一覧できます。

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事故の記録の記載事項(第九条の二)
号記載する内容
一乗務員等の氏名
二事業用自動車の自動車登録番号又は車両番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
三事故の発生日時
四事故の発生場所
五事故の当事者(乗務員等を除く。)の氏名
六事故の概要(損害の程度を含む。)
七事故の原因
八再発防止対策

国土交通省「事故記録の様式例」の欄と8項目の対応

国土交通省の貨物軽自動車運送事業の安全対策のページには、事故記録の様式例(Excel)が掲載されています。様式例は「事故の記録」「別紙」「(参考)別紙第2条に該当する事故」「記載例」の4シートで、「事故の記録」のシートにも「保存期間:3年」と書かれています。次の表は、様式例の欄が第9条の2のどの号に当たるかと、様式例・記載例の注記に書かれている書き方を並べたものです(2026年9月27日に様式例の原文で確認)。

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事故記録の様式例の欄と第九条の二の号の対応
様式例の欄対応する号様式例・記載例の注記にある書き方
作成日号の定めなし記録を作成した日を記入する欄です。
運転者の氏名一(乗務員等の氏名)運転者の氏名を記入します。
車両番号二(事業用自動車を識別できる表示)車両番号を記入します。
事故の発生日時三令和の年・月・日の形で記入する欄です。
事故の発生場所四記載例は「○○県○○市○○1-1-1付近」です。場所を示す地図画像を別に記録・保存することでもよいと注記されています。
事故の当事者(運転者を除く)の氏名五運転者以外に事故の当事者がいる場合に、その氏名を記載します。
事故の概要:当時の状況六いつ、どこで、だれが、どのような事故を起こし、結果どうなったかを記載し、けが人や物損があった場合はその内容も記載します。
事故の概要:事故の種類六転覆・転落・路外逸脱・火災・踏切・衝突・死傷などの区分と、正面衝突・側面衝突・追突・接触・物件衝突などの状態を記録します。別紙「事故の種類」を記録することでもよいと注記されています。
事故の概要:道路等の状況六道路の種類・幅員・こう配・形態・路面の状態、制限速度などを記録します。記載例は「住宅街、道路幅員○m程の平坦な十字路」です。別紙「道路等の状況」を記録することでもよいと注記されています。
事故の概要:当時の運行計画六発地・経由地・着地を記載します。
事故の概要:損害の程度六(損害の程度を含む)死亡・重傷・軽傷の人数(うち運転者の人数)を記入します。事故があった時の医師の診断結果に基づいて記入するのが原則で、死亡は事故の発生後24時間以内に死亡したものとすると注記されています。
事故の原因七事故の原因を記入します。
再発防止対策八原因が明らかになってから対策を講ずることにしている場合は「原因究明結果待ち」と記入し、緊急的に講じた対策も記入すると注記されています。
様式例をそのまま使う義務があるかは、このページで断定しません。

この資料は「様式例」として掲載されており、様式例の中にも、事故の記録は事故報告規則の別記様式を活用して行うこともできるとの注記があります。自社の様式で記録する場合は、第9条の2の8項目がすべて入っているかを上の表で確かめ、判断に迷う場合は管轄の運輸支局等に確認してください。

対象となる「事故」の範囲

第9条の2が対象とする「事故」は、業務の記録(第8条)第1項第9号の括弧書きで定義されており、「道路交通法第67条第2項に規定する交通事故」又は「自動車事故報告規則第2条に規定する事故」のいずれかを指します。道路交通法第67条第2項は、交通事故を「車両等の交通による人の死傷若しくは物の損壊」と定めており、死傷者が出ない物損事故も含まれます。これは、30日以内の事故報告書・24時間以内の速報が必要な自動車事故報告規則第2条の15類型より広い範囲です。

記録が必要な事故の範囲は、報告書・速報が必要な事故の範囲より広くなります。

物損のみで死傷者が出ない事故や、自動車事故報告規則第2条の15類型に該当しない事故でも、人の死傷又は物の損壊を伴う交通事故であれば、事故の記録の対象になります。個別の事故が該当するかどうかは、公式資料と管轄の運輸支局等で確認してください。

具体例で確認する記録・報告の対象

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事故の記録・報告書・速報の対象になるかの具体例
事故の例事故の記録(3年保存)事故報告書(30日以内)速報(24時間以内)
駐車中に他車と接触し、双方とも負傷なく車体のみ損傷した対象(物の損壊を伴う交通事故)対象外(15類型に該当する損害・状況がない限り)対象外
追突され、相手に軽傷(死者・重傷者ではない)が生じた対象対象外(死者又は重傷者を生じたものではない場合)対象外
事故で死者が1人生じた対象対象(第2条三号「死者又は重傷者を生じたもの」)対象外(貨物軽自動車運送事業者は死者2人以上が速報の基準)
この表は典型例の整理であり、個別の該当判定ではありません。

実際の損害の程度や状況により当てはめが変わります。事故報告書・速報の対象・期限の全類型は自動車事故報告書と速報の対象・期限を確認するで確認し、個別の該当判定は管轄の運輸支局等に確認してください。

保存期間・保存場所

事故の記録は、当該事業用自動車の運行を管理する営業所において3年間保存します。第9条の2の条文には、業務の記録(第8条)にあるような「貨物軽自動車運送事業者にあっては、四輪以上の軽自動車を使用して貨物を運送する事業者に限る」という事業者の範囲を限定する文言は付いていません。

電子データでの保存については、書面の保存を電磁的記録で行える範囲を定める国土交通省令(平成17年国土交通省令第26号)の別表第一・別表第二に、貨物自動車運送事業輸送安全規則の第九条の二(事故の記録)は掲げられていません(掲げられているのは第九条の三と第九条の五)。この省令の別表からは電子保存の可否を確認できないため、アプリや表計算で保存する前に、管轄の運輸支局等へ確認してください。確認日: 2026年10月9日。出典はe-Gov法令検索の同省令です。

業務記録(1年間)など、ほかの記録との保存期間の違いは、記録の保存期間一覧で確認できます。

事故報告書・速報との違い

事故報告書・速報は、自動車事故報告規則が定める15類型に該当する事故について、国土交通大臣へ提出する義務です。これに対し、事故の記録は、より広い範囲の事故について、営業所に3年間保存する社内の記録です。対象となる事故の範囲、期限、提出か保存かという扱いがそれぞれ異なります。事故報告書・速報の対象・期限・提出先は自動車事故報告書と速報の対象・期限を確認するで確認してください。事故にならなかったヒヤッとした出来事の扱いは、ヒヤリ・ハットの記録と再発防止の進め方で確認できます。

よくある質問(保存期間・保存場所)

出典は貨物自動車運送事業輸送安全規則第九条の二(e-Gov法令検索、2026年10月5日確認)です。個別の判断は管轄の運輸支局等で確認してください。

Q1. 事故の記録は何年保存しますか。
A. 第九条の二は、記録を「三年間保存しなければならない」と定めています。

Q2. 3年はいつから数えますか。
A. 確認した条文には、3年の数え始めの日を示す文言がありません。たとえば2026年10月15日に事故があり、同日に記録した場合、少なくとも2029年10月15日までは保存する、という安全側の数え方が考えられます。起算の扱いに迷う場合は管轄の運輸支局等に確認してください。

Q3. どこに保存しますか。
A. 当該事業用自動車の運行を管理する営業所で保存します。営業所が複数ある場合は、その車を運行管理している営業所が保存先です。

Q4. 事故報告書を出したら、記録の保存は要りませんか。
A. 要ります。事故報告書・速報は国土交通大臣への提出義務で、事故の記録は営業所で3年間保存する別の記録です。違いは事故報告書・速報との違いの節を確認してください。

Q5. 事故報告書の保管期間は何年ですか。
A. 「3年」と定められているのは、営業所で保存する事故の記録(第九条の二)です。国土交通大臣へ提出する自動車事故報告書は、第3条で提出期限と提出先を定める書面で、このページで確認した第2条から第4条には、提出した報告書の控えの保管期間を定める文言を確認できていません。控えは事故の記録と一緒に営業所で残しておくと、後から経緯を確かめられます。保管期間の扱いに迷う場合は管轄の運輸支局等に確認してください。

ドライブレコーダーの映像が事故の記録の代わりになるか、機器の装着義務があるかは、運行記録計・ドライブレコーダーの装着義務と記録の扱いで確認できます。

事故の直後から3年保存までの順番は、事故対応の流れで確認できます。自賠責保険の加入義務と任意保険で補う範囲は事業用の軽貨物車の保険で確認できます。

次に確認すること

様式例の欄と物損事故1件の書き方は事故の記録の記入例で確認できます。記録とは別に国へ出す報告が要る事故かは事故報告書と速報の対象・提出先、事故を起こした運転者への特別な指導は事故惹起運転者への特別な指導、ヒヤリハットの記録はヒヤリハットの記録で確認できます。事故で運転者自身がけがをしたときの備えとして一人事業主が入れる労災保険は軽貨物の一人親方の労災保険特別加入で確認できます。

公式根拠

記載事項・保存期間・保存場所は、e-Gov法令検索の貨物自動車運送事業輸送安全規則(第八条・第九条の二)で確認できます。「事故」の定義に含まれる道路交通法上の交通事故は、e-Gov法令検索の道路交通法(第六十七条)で確認しました。自動車事故報告規則第2条の15類型はe-Gov法令検索の自動車事故報告規則で確認できます。事故記録の様式例は、国土交通省の貨物軽自動車運送事業における安全対策を強化するための制度改正のページの「事故記録の様式例」から開けます(2026年9月27日確認)。

次に確かめること: 安全対策の期限を月ごとに並べた表は安全対策の期限の暦で、選任・届出・定期講習の日付計算は選任・届出・定期講習の期限計算で確認できます。

事故の特徴は軽貨物の事故の特徴で、配送先でバックするときの確認は後退時の安全確認で確認できます。

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