事故報告書と速報

自動車事故報告書と速報(提出期限・提出先・速報が要る事故の範囲)

自動車事故報告書の提出期限・提出先と、24時間以内に速報が必要な事故の範囲を、貨物軽自動車運送事業者向けに整理します。個別の事故の該当判定はしません。

荷台の扉の前で封筒の書類を確認する配送ドライバー

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貨物軽自動車運送事業者が事故を起こした場合、国土交通大臣へ提出する義務には「30日以内の事故報告書」と「24時間以内の速報」の2種類があり、対象となる事故の範囲が異なります。営業所に残す事故記録(3年保存)は事故の記録の記載事項・保存期間で扱い、このページは国への提出2つに絞って確認します。

自分の事故が報告書だけで足りるか、速報も必要かを区別し、それぞれの期限と提出先を確認すれば、このページの確認は終わりです。

報告書の提出が必要な事故

自動車事故報告規則第2条は「事故」を15種類定義しています。この定義は、自家用(自家用有償旅客運送を除く)の軽自動車・小型特殊自動車・二輪の小型自動車には適用されません。ただし除外されるのは自家用だけです。貨物軽自動車運送事業者が事業用に使う軽自動車(黒ナンバー)は除外されないため、次の15種類の定義がそのまま適用されます。

表は横にスクロールできます。

自動車事故報告規則第2条が定める事故の類型
号該当する事故の概要
一転覆、転落、火災(積載物品の火災を含む)、又は鉄道車両との衝突・接触
二10台以上の自動車の衝突又は接触
三死者又は重傷者を生じたもの
四10人以上の負傷者を生じたもの
五危険物・火薬類・高圧ガス・核燃料物質・放射性同位元素等・毒物劇物・保安基準上の可燃物のいずれかの全部又は一部が飛散又は漏えいしたもの
六積載したコンテナが落下したもの
七操縦装置又は乗降口の扉の操作装置の不適切な操作により、旅客が重傷を負ったもの
八酒気帯び運転、無免許運転、大型自動車等無資格運転、麻薬等運転のいずれかを伴うもの
九運転者の疾病により、事業用自動車の運行を継続できなくなったもの
十救護義務違反があったもの
十一自動車の装置の故障により、自動車が運行できなくなったもの
十二車輪の脱落、被牽引自動車の分離を生じたもの(故障によるものに限る)
十三鉄道施設を損傷し、3時間以上本線において鉄道車両の運転を休止させたもの
十四高速自動車国道又は自動車専用道路において、3時間以上自動車の通行を禁止させたもの
十五前各号のほか、国土交通大臣が自動車事故の発生防止のため特に必要と認めて報告を指示したもの

これらの事故があった日(十号は救護義務違反を知った日、十五号は指示があった日)から30日以内に、自動車事故報告書(別記様式)3通を、自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸監理部長又は運輸支局長を経由して、国土交通大臣に提出します。十一号・十二号(装置の故障、車輪の脱落等)に該当する場合は、書面と、故障状況を示す略図又は写真を添付します。書面に記載するのは次の項目です。自動車検査証の有効期間、使用開始後の総走行距離、大規模な改造の内容・時期・工場名、故障した部品と部位、その部品を取り付けてからの走行距離、整備・改造の状況、部品の製作者(不明な場合は販売者)の氏名又は名称・住所。車両火災を起こしたときの報告は、車両火災の予防と火災時の事故報告でも確認できます。

24時間以内の速報が必要な事故

報告書とは別に、次の事故があったとき、又は国土交通大臣の指示があったときは、電話その他適当な方法により、24時間以内にできる限り速やかに、運輸監理部長又は運輸支局長へ事故の概要を速報しなければなりません。第4条の類型には旅客自動車運送事業者等(旅客自動車運送事業者・自家用有償旅客運送者)に限定されるものが含まれており、旅客を運送しない貨物軽自動車運送事業者には当てはまらない区分があります。

自動車事故報告規則第4条が定める速報の対象
区分速報が必要な事故貨物軽自動車運送事業者への当てはめ
一号転覆・転落・火災・鉄道車両との衝突接触(旅客自動車運送事業者等が引き起こしたものに限る)対象外(旅客自動車運送事業者等に限定)
二号イ死者2人以上(旅客自動車運送事業者等が引き起こした場合は1人以上)死者2人以上が対象
二号ロ重傷者5人以上対象
二号ハ旅客に1人以上の重傷者対象外(旅客を運送しない前提)
三号10人以上の負傷者対象
四号危険物等の飛散・漏えい(転覆・転落・火災・衝突接触により生じたものに限る)対象
五号酒気帯び運転を伴う事故対象
「対象外」は一般的な整理であり、個別の該当判定ではありません。

上表の「対象外」は、貨物軽自動車運送事業者が旅客を運送しない前提での整理です。自家用有償旅客運送や特定自動運行貨物運送など、事業の実態によって扱いが変わる場合があります。自分の事故が速報・報告書の対象に当たるかどうかは、このページで判断せず、管轄の運輸支局等に確認してください。

提出先・部数・報告書との関係

報告書の提出先は、自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸監理部長又は運輸支局長です。運輸監理部長又は運輸支局長は、報告書を受け付けたときは、遅滞なく地方運輸局長を経由して国土交通大臣に進達します。速報は条文上「前条第一項の規定によるほか」行うものとされており、報告書の提出に加えて必要です。つまり速報の対象になる事故は、24時間以内の速報と30日以内の報告書の両方を行います。

報告書の様式は、国土交通省の貨物軽自動車運送事業における安全対策を強化するための制度改正のページに「国土交通大臣への事故報告の様式(提出先:営業所所在地の運輸支局)」として掲載されています。紙のほかにオンラインで提出する経路もあり、近畿運輸局の貨物軽自動車運送事業における安全対策の強化のページは、同じ様式の行に「オンライン申請をご利用できます」と記載しています。オンライン申請はe-Gov電子申請で行う仕組みで、国土交通省の自動車運送事業のオンライン申請の案内によると令和7年12月1日から本格運用が始まり、案内のリーフレットは対象手続きの例に「事故報告書の提出等」を挙げています。自社の報告がオンラインの対象手続きに当たるかは、同じ案内にあるオンライン申請対象手続一覧か、提出先の運輸支局で確認してください。確認日: 2026年9月28日。

事故記録(3年保存)との違い

事故報告書・速報は国土交通大臣へ提出する義務であるのに対し、事故記録は営業所に3年間保存する社内の記録であり、対象となる事故の範囲、期限、提出か保存かという扱いがそれぞれ異なります。事故記録に何を書き、いつまで保存するかは事故の記録の記載事項・保存期間で確認してください。

提出した報告書の控えを何年保管するかは、自動車事故報告規則の第1条〜第5条に保存・保管の語がなく、2026年10月22日にe-Gov法令検索で確認した範囲では条文上の定めがありません。「3年」は営業所で保存する事故の記録の期間です。控えの扱いは事故の記録のよくある質問にまとめています。

報告・速報を怠った場合の扱いはこのページで断定しません。

国土交通省のよくある質問と回答(FAQ)では、重大な事故を報告しない又は虚偽の報告をした場合は50万円以下の過料が定められています。個別の事故が報告・速報の対象に当たるかどうかは判定せず、管轄の運輸支局等に確認してください。

事故の直後から3年保存までの順番は、事故対応の流れで確認できます。

次に確認すること

事故の賠償への備えは自賠責保険と任意保険の役割で確認できます。

報告書とは別に残す社内の記録は事故の記録の記載事項・保存期間、報告の対象になった事故を起こした運転者への対応は事故惹起運転者への特別な指導、提出の前後の時期は事故対応の流れで確認できます。

よくある質問(期限・提出先・速報・過料)

出典は自動車事故報告規則の第2条〜第4条(e-Gov法令検索、2026年10月8日確認)と、国土交通省のよくある質問と回答(FAQ)です。個別の事故が対象に当たるかは、管轄の運輸支局等で確認してください。

Q1. 事故報告書は、事故からいつまでに出しますか。

A. 第3条第1項は、事故があった日から30日以内と定めています。救護義務違反(第2条第10号)は違反を知った日、第15号は指示があった日が起点です。

Q2. 提出先はどこですか。

A. 自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸監理部長又は運輸支局長を経由して、国土交通大臣に提出します。様式は3通です。

Q3. 速報を出した事故でも、報告書は必要ですか。

A. 必要です。第4条の速報は「前条第一項の規定によるほか」行うものとされ、24時間以内の速報に加えて、30日以内の報告書も提出します。

Q4. 事業用の軽自動車(黒ナンバー)も、報告書の対象ですか。

A. 第3条のかっこ書きで除外されるのは自家用自動車の軽自動車などです。貨物軽自動車運送事業者が事業用に使う軽自動車は、除外に含まれません。

Q5. 報告しなかった場合は、どうなりますか。

A. 国土交通省のFAQは、重大な事故を報告しない又は虚偽の報告をした場合に50万円以下の過料が定められているとしています。個別の事故が報告の対象かどうかは、このページでは判定しません。

公式根拠

事故の定義、報告書の提出期限・提出先、速報の対象・期限は、e-Gov法令検索の自動車事故報告規則(第2条〜第4条)で確認できます。貨物軽自動車運送事業者が同規則上の「貨物自動車運送事業者」に含まれることは、e-Gov法令検索の貨物自動車運送事業法(第2条・第39条)で確認しました。重大な事故の不報告・虚偽報告の過料は、国土交通省のFAQで確認してください。

事故報告書は、国土交通省のオンライン申請でも出せます。必要なアカウントと対象手続は届出・事故報告のオンライン申請(e-Gov)で確認できます。

次に確かめること: 安全対策の期限を月ごとに並べた表は安全対策の期限の暦で、選任・届出・定期講習の日付計算は選任・届出・定期講習の期限計算で確認できます。

経営届出・変更届出・選任届出・事故報告・事業報告の届出先と期限を1枚で見比べる表は、届出・報告の一覧で確認できます。

届出・事故報告・荷主のトラブル・労働条件の相談先を用件別に探すときは、安全対応で困ったときの公式の相談先の表で確認できます。

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