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ヒヤリ・ハットの記録と再発防止の進め方(事故の記録との違い)

事故にならなかった「ヒヤッとした」出来事を、どう集めて再発防止に使うかを、国土交通省の手引きに基づいて確認します。規則で義務の事故の記録とは位置づけが違います。

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ヒヤリ・ハットとは、国土交通省の手引きで「事故にはならなかったが、『ヒヤッと』した、『ハッと』したできごと」とされている情報です。たとえば、運転中にぶつかりそうになったが何も起きなかった場面です。

事故の記録(保存期間3年)は輸送安全規則で作成が義務づけられています。これに対し、ヒヤリ・ハットの収集は、国土交通省の手引きが「必要に応じて」行う取組として示しているものです。この2つの位置づけの違いと、手引きが示す進め方を確認すれば、このページの確認は終わりです。

ヒヤリ・ハットの記録の様式や保存期間を、このページで定めることはしません。

確認した国土交通省の手引きには、ヒヤリ・ハットの記録の様式も保存期間も示されていませんでした。自社の取組の要否や記録のあり方に迷う場合は、管轄の運輸支局等に確認してください。

事故の記録とヒヤリ・ハットの違い

事故の記録は、人の死傷や物の損壊を伴う交通事故について、記録する8項目を営業所に3年間保存するものです。項目の詳細は事故の記録の記載事項・保存期間を確認するにまとめています。

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事故の記録とヒヤリ・ハット情報の位置づけ(2026年10月2日確認)
比べる点事故の記録ヒヤリ・ハット情報
何を対象にするか人の死傷または物の損壊を伴う交通事故事故にはならなかったが、ヒヤッとした・ハッとしたできごと
根拠貨物自動車運送事業輸送安全規則(記録の作成と3年間の保存)国土交通省の手引き(事業者が安全管理に取り組む際の参考)
集めるか事故が発生した場合に作成する手引きは「必要に応じて」集めるとしている
記録の様式・保存期間8項目・3年間確認した手引きには示されていない
国への報告事故の記録自体は提出しない(一定の事故は別に報告書・速報が必要)手引きに、国へ提出する定めは書かれていない

国への報告が必要な事故の範囲は、自動車事故報告書と速報の対象・期限を確認するで別に確認できます。

事故になった時点で、ヒヤリ・ハットではなく事故の記録の対象になります。

人の死傷や物の損壊を伴った場合は、ヒヤリ・ハットの扱いで済ませず、事故の記録の8項目を作成してください。個別の判断に迷う場合は、管轄の運輸支局等に確認してください。

国土交通省の手引きが示す進め方

国土交通省は「中小規模自動車運送事業者における安全管理の進め方に関するガイドライン」で、事故情報等の集め方と活用の手順を示しています。手引きは、保有車両数がおおむね100両未満のトラック運送事業者などを念頭に置いたものです。貨物軽自動車運送事業者は対象として名指しされていないため、ここでは軽貨物の事業者が参考にできる内容として読んでください。

手引きの内容を、事故が起きた場合とヒヤリ・ハットを集める場合に分けて並べます。

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手引きの「事故情報等の収集・活用」の内容(2026年10月2日確認)
場面手引きが示す取組
事故が起きた時社員などが、代表者(経営者)へ適時に報告する
事故が起きた時代表者が原因を調べたうえで、再発防止策を考えて実施する
事故が起きた時実施した対策の効果を確かめ、必要なら見直す
ヒヤリ・ハットを集める時必要に応じて現場から集め、事故を防ぐ対策につなげる
ヒヤリ・ハットを集める時報告することの大切さを社内に伝え、自分から報告した人が不利益を受けないよう配慮する
他社の情報他の事業者の事故事例やヒヤリ・ハット情報も集めて、自社の事故防止に使う
国への報告自動車事故報告規則が定める事故があった場合は、国土交通省へ必要な報告や届出をする

手引きは、取組のポイントとして次の点も挙げています。

  • まずは発生した事故ごとに再発防止策を実施し、効果を確かめてから見直す。
  • 事故がない、または少ない場合は、ヒヤリ・ハット情報を集めて活用する。
  • 集めた情報は必要に応じて分類・整理し、発生回数の多いものから対策を考える。
  • 報告した人に不利益が生じないしくみをつくる。
  • 一人で進めるのが難しいときは、グループ会社や外部と相談しながら進める。

手引きに載っている取組事例

手引きの取組事例として、次のようなものが挙げられています。これらは事例であり、同じことをする義務はありません。

  • 自動車保険を契約している損害保険会社に、自社の事故の集計と分析を依頼し、傾向をつかむ。
  • ヒヤリ・ハットの報告様式の記入項目を減らし、ドライブレコーダーの映像で詳しい状況を補う。
  • ヒヤリ・ハットを処分の対象にしないと社内規定に定め、効果的な対策を実施した人を表彰する。
  • 外部の会社や親会社に、集めたヒヤリ・ハット情報の分析を依頼する。

手引きは、具体的なやり方を知りたい場合の資料として、国土交通省 運輸安全監理官室の冊子「事故、ヒヤリ・ハット情報の収集・活用の進め方」(自動車モード編)も案内しています。

自社で決めておくこと(このサイトの整理)

次の4点は、上の手引きの内容を、小さな事業者が最初に決めておく事柄として並べ直したこのサイトの整理です。国の資料が定めた項目ではありません。

  1. 誰に報告するか。手引きは、現場から代表者または担当者へ情報が上がることを前提にしています。
  2. 何を書くか。様式は定められていません。手引きの事例のとおり、記入が重くなると報告が減るため、少ない項目から始める方法があります。
  3. 報告した人の扱い。手引きは、自発的な報告で不利益が生じないよう配慮することを求めています。
  4. 集めた後にどう使うか。手引きは、分類・整理して、回数の多いものから対策を検討するとしています。

事故を起こした運転者への特別な指導は、再発防止とは別に規則で定められています。対象と内容は事故惹起運転者への特別な指導は何時間かで確認できます。

公式根拠

ヒヤリ・ハットの定義と収集・活用の手順は、国土交通省の中小規模自動車運送事業者における安全管理の進め方に関するガイドライン(PDF)で確認しました(2026年10月2日確認)。事故の記録の義務は事故の記録の記載事項・保存期間を確認するで、貨物軽自動車に適用される条文は貨物軽自動車に適用される輸送安全規則の条文対応表で一覧できます。

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