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荷役作業(貨物の積込み・取卸し)には、業務記録に書く場面と、労働災害を防ぐ指針の対象になる場面の二つがあります。この二つは、決めている役所も根拠も別です。このページは、確認できた範囲を「当てはまる点」と「確認できない点」に分けて並べます。
業務記録の荷役の欄は輸送安全規則第八条、荷役の災害防止は厚生労働省のガイドラインと分けて読み、軽貨物の運転者に当てはまるかどうかが資料で確認できない点を押さえれば、このページの確認は終わりです。
業務記録で荷役作業を書く場面(輸送安全規則第八条)
貨物自動車運送事業輸送安全規則第八条は、集貨・配達の地点での「積込み又は取卸し」を荷役作業と定義しています。貨物軽自動車運送事業者は、四輪以上の軽自動車を使う事業者が対象です。記録は1年間保存します。荷役作業に関わる欄は次の二つです。
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| 場面 | 記録する事項(条文の書き方) |
|---|---|
| 荷主の都合で集貨・配達の地点に待機した | 地点、到着日時、荷役作業の開始・終了の日時、出発日時など(第八条第1項第七号) |
| 集貨・配達の地点で荷役作業又は附帯業務(荷造り・仕分けなど)を実施した | 地点、開始・終了の日時、作業の内容、荷主の確認の有無(第八条第1項第八号)。荷主との契約書に実施した荷役作業等の全てが明記されている場合は、作業に1時間以上かかったときだけ記録します。 |
記録の項目を一覧で見るときは業務記録の記載事項、1日分の書き方は業務記録の書き方の例で確認できます。
荷役災害の防止ガイドライン(厚生労働省)
厚生労働省は平成25年3月に「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」を策定しました。同省のリーフレットによると、荷役作業での労働災害は毎年1万件近く発生し、その3分の2は荷主先で、そのうち8割は貨物自動車の運転者が被災しています。
リーフレットは、荷主・配送先・元請事業者などに次のことを求めています。
- 荷役作業を陸運事業者に行わせる場合は、事前に通知する。
- 荷役時間、荷待ち時間、運転者の休息期間、道路状況などを考えて、余裕を持った着時刻を設定する。
- 荷役場所を、荷の積卸しに必要な広さや整理整頓を保った、安全に作業できる状態にする。
- できるだけ、荷台への昇降設備などの墜落・転落防止の施設を用意する。
軽貨物の運転者に当てはまる範囲
表は横にスクロールできます。
| 論点 | 確認できたこと | 確認できなかったこと |
|---|---|---|
| 業務記録の荷役の欄 | 第八条の主語は貨物自動車運送事業者で、貨物軽自動車運送事業者は四輪以上の軽自動車を使う場合が対象です。 | 二輪車を使うバイク便の扱いはバイク便で対象外になる項目で確認してください。 |
| ガイドラインの対象者 | リーフレットは、ガイドラインを「陸運業に従事する労働者」の荷役作業での労働災害を防ぐためのものと書き、陸運事業者には指針として対策の推進に努めることを求めています。 | 確認した資料に、貨物軽自動車運送事業者や、労働者を使わず一人で運転する事業主が対象に入るかどうかの記載は見当たりませんでした。 |
| 守る義務の強さ | リーフレットは「指針として」「努める」と書いています。 | ガイドラインに従わなかったときの罰則や処分は、確認した資料に書かれていません。 |
| 業務記録との関係 | 荷役の災害防止は厚生労働省、業務記録は国土交通省の輸送安全規則と、決めている役所が別です。 | 業務記録に荷役作業を書くことが、ガイドラインの対策を満たすことになるかは、資料に書かれていません。 |
一人で運転する事業主が荷主先で荷役をする場合に、どの法令が当てはまるかは、このページでは判断しません。管轄の労働基準監督署や運輸支局等に確認してください。
次に確認すること
待機や荷役で拘束時間が延びるときの勤務時間の基準は過労運転の防止、荷役中の事故を引き起こしたときの記録は事故の記録、一人事業主の役割ごとの義務は一人事業主の役割別の義務一覧で確認できます。用語は用語集に並べています。
よくある質問(荷役の記録・ガイドライン)
Q1. 荷役作業とは、条文ではどういう作業ですか。
A. 輸送安全規則第八条は、集貨地点等における積込み又は取卸しを「荷役作業」と呼んでいます。荷造りや仕分けなどは別に「附帯業務」と呼び、荷役作業と合わせて「荷役作業等」としています。
Q2. 荷役を毎回、業務記録に書く必要がありますか。
A. 第八条第1項第八号は、荷役作業等を実施した場合に記録するとしています。荷主との契約書に実施した荷役作業等の全てが明記されている場合は、作業に1時間以上かかったときだけ記録します。契約書の書き方に当たるかどうかは、個別に確認してください。
Q3. 厚生労働省のガイドラインは、軽貨物の運転者にも守る義務がありますか。
A. 確認した資料では、ガイドラインは労働者の荷役災害を防ぐ指針で、軽貨物事業者や一人の事業主が対象に入るかは書かれていません。義務と断定せず、荷主先での荷役の安全を考える材料として読んでください。
公式根拠
条文は、e-Gov法令検索の貨物自動車運送事業輸送安全規則(第八条)で、2026年10月9日に確認しました。ガイドラインの内容は、厚生労働省の「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」のご案内(リーフレット)と、同省の説明会のご案内で、2026年10月9日に確認しました。ガイドライン本文は読めていないため、陸運事業者向けの実施事項の詳細は載せていません。
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