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事業者に対する監査は、「自動車運送事業(一般貸切旅客自動車運送事業を除く。)の監査方針について」(平成25年9月17日付け、令和7年2月28日一部改正、令和7年4月1日施行)に沿って行われます。この通達は旅客と貨物の事業を通じた方針で、本文の中に「貨物軽自動車安全管理者」の選任がない事業者が優先的な監査の対象として書かれています。このページは、その通達のうち貨物の事業者に関係する部分を、条項の順に抜き出したものです。
監査の種類、優先して対象になる違反の疑い、監査のきっかけ、実施の方法を確認すれば、このページの確認は終わりです。
通達は監査を行う側の方針で、事業者に提出書類を定めたものではありません。監査の通知や呼出しを受けた場合は、管轄の運輸支局等または専門家に確認してください。
監査の種類(通達2)
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| 種類 | 通達の定め |
|---|---|
| 特別監査 | 引き起こした事故または疑いのある法令違反の重大性から、厳格な対応が必要と認められる事業者に対して、全般的な法令遵守状況を確認する監査 |
| 一般監査 | 特別監査に該当しないもので、監査を実施するきっかけ(監査端緒)に応じた重点事項を定めて、法令遵守状況を確認する監査 |
| 街頭監査 | 事業用自動車の運行実態等を確認するため、街頭において事業者を特定せずに実施する監査 |
特別監査と一般監査の分け方について、通達3は、対象となる事故や違反が社会的影響の大きいもの、または悪質なものである場合は特別監査を、それ以外の場合は一般監査を実施するとしています。また、一般監査を実施した事業者で全般的な法令遵守状況を確認する必要があると認められた場合は、特別監査に切り替えるとしています。
優先して監査される事業者(通達1(2))
通達1(2)は、監査は輸送の安全の確保が最も重要という認識のもとに行うとし、次のような「輸送の安全確保に支障を及ぼすおそれのある重要な法令違反の疑い」がある事業者を優先的に対象にすると書いています。
- 運行管理者若しくは貨物軽自動車安全管理者または整備管理者を選任していない
- 運転者に対して全く点呼を実施していない
- 営業所に配置している全ての事業用自動車の定期点検整備を実施していない
通達は「等」と書いており、上の3つは例です。このほか、過去の監査や行政処分等(警告や勧告を含む)の状況、利用者等からの苦情等も踏まえるとしています。安全管理者の選任と届出の手順は安全管理者の選任と講習で確認できます。
監査のきっかけ(通達3)
通達3は、特別監査と一般監査の対象となる事業者を次のように列挙しています。貨物の事業者に当てはまる主なものを、原文の番号どおりに並べます(旅客の事業者だけに当たる項目は省いています)。
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| 番号 | 対象となる事業者 |
|---|---|
| ① | 地方貨物自動車運送適正化事業実施機関や利用者等からの情報、街頭監査や添乗調査の結果等により、法令違反の疑いがある事業者 |
| ② | 事業用自動車の運転者が第一当事者と推定される死亡事故を引き起こした事業者 |
| ③ | 運転者が悪質違反(救護義務違反、酒酔い運転、薬物等使用運転、妨害運転、無免許運転、酒気帯び運転、過労運転、無資格運転、無車検運行、無保険運行)を引き起こした、または引き起こしたと疑われる事業者 |
| ④ | 行政処分等の際に改善状況の報告を命じられ、出頭の拒否、報告をしない、または内容から改善されたと認められない事業者 |
| ⑤ | 適正化事業実施機関が行う巡回指導を拒否した事業者 |
| ⑥ | 都道府県公安委員会、都道府県労働局、道路管理者等からの通知・通報により、法令違反の疑いがある事業者 |
| ⑦ | 労働関係行政機関または日本年金機構から、労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金保険に加入していない旨の通報があった事業者 |
| ⑧ | 労働関係行政機関から、最低賃金法に違反している旨の通報があった事業者 |
| ⑨ | 自動車事故報告規則第2条の事故で、事故報告書の「事故の原因」と「事故の種類の区分」が同一のものを3年間に3回以上引き起こした事業者 |
| ⑩ | 事故報告書や貨物自動車運送事業報告規則の事業報告書・事業実績報告書などについて、期限までに提出しなかった、虚偽の内容を書いた疑いがある、記載内容に法令違反の疑いがある事業者 |
| ⑭ | 長期間、監査(街頭監査を除く)を実施していない事業者(適正化事業実施機関の巡回指導があった事業者、安全性優良事業所に認定されている事業者は除くことができる) |
| ⑲ | 管理の受委託の許可を受けた事業者で、受託者に法令違反の疑いがある委託者 |
| ㉑ | 呼出指導の対象となったのに、正当な理由なく応じない事業者 |
| ㉒ | 行政処分等の際に、事業の改善状況の報告を命じられた事業者 |
| ㉓ | その他、事故・法令違反・事件・苦情等の状況を勘案して監査が必要と認められる事業者 |
このほか⑰⑱は、貨物自動車運送事業者の輸送の安全確保義務違反に関わる元請事業者と下請事業者を定めています。事故を起こした後の報告の書き方は事故報告書と速報、事故の届出を怠った場合の量定は行政処分の基準で確認できます。
監査の実施方法(通達5)
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| 項目 | 通達の定め |
|---|---|
| 臨店による監査 | 事業者の営業所その他の事業場、または事業用自動車の所在する場所に立ち入って実施する |
| 呼出による監査 | 事業者の代表者やこれに準ずる者、運行管理者等の事業運営の責任者を、地方運輸局または運輸支局等へ呼び出して実施する |
| 街頭監査 | 事業用自動車の所在する場所へ立ち入って実施するもので、バスに係る発着場等の街頭で行うもの |
| 通告 | 臨店による監査と街頭監査は無通告で実施する。ただし、無通告で行うと実施に支障があると判断される場合は、監査の前日に通告できる |
| 呼出による監査を行える場合 | ㉒の事業者を監査するとき、または、監査のきっかけにより確認する事項が限られ、臨店によらなくても支障がないと判断されるとき |
| 法令違反を確認したとき | 街頭監査を除き、原則として代表者等にその事実を確認させ、事実に相違ない旨の書面を取り付ける |
| ㉒の事業者の監査時期 | 行政処分等を行った日から原則として3月以内に実施する |
通達5(2)は、監査は重要な法令違反の疑いがある事業者から優先的に行い、社会的影響が大きい事故や違反が発生した場合は速やかに実施するとしています。
監査の重点事項と呼出指導(通達6・7)
街頭監査を除く監査は、通達6が次の8項目を重点として実施するとしています(監査のきっかけに応じて、必要な事項やその他の事項を重点にします)。
- 事業計画の遵守状況
- 運賃・料金の収受状況
- 損害賠償責任保険(共済)の加入状況
- 自家用自動車の利用、名義貸し行為の有無
- 社会保険等の加入状況
- 賃金の支払い状況
- 運行管理の実施状況
- 整備管理の実施状況
通達7の呼出指導は、事業者に自主点検表を提出させて行い、様式は各地方運輸局が作成すると定めています。この通達に、監査で確認する書類の一覧は書かれていません。記録の保存の義務は、それぞれ記録の確認のページで確認できます。監査で法令違反が判明したときの行政処分の量定は行政処分の基準にあります。
公式根拠
監査の種類、監査対象事業者、実施方法、重点事項、呼出指導は、国土交通省の通達「自動車運送事業(一般貸切旅客自動車運送事業を除く。)の監査方針について」(令和7年2月改正、4月施行)の原文で確認しました(2026年9月29日に原文で確認)。この通達は国土交通省の行政処分の基準のページに掲載されています。
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