車両火災

車両火災の予防と火災時の事故報告

国土交通省・消防庁の資料が示す車両火災の予防(点検整備・給油・危険物の持込み)と、火災が自動車事故報告規則の「事故」に当たる条文を、貨物軽自動車の事業者向けに整理します。

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車両火災を防ぐために公式資料が何を求めているかと、火災が起きたときに事故報告の条文がどう関わるかを確認します。国土交通省の分析資料は事業用バスの火災が中心で、貨物軽自動車だけを対象にした火災の分析は確認できていません。貨物軽自動車に当てはめられる部分と、バスの資料である部分を分けて書きます。

点検整備で防ぐ(国土交通省)

国土交通省の「車両火災事故」のページは、事業用バスの火災を平成23年から26年に58件とし、出火原因の分析で「点検整備不十分」25件と「整備作業ミス」11件が約6割を占めたとしています。出火に至る状況は電気配線のショートや燃料漏れ、出火箇所はエンジンルーム内が多く、「日常点検をはじめとした定期点検の励行が重要」と書いています。

同じページは、バス以外にも車両火災事故は発生しており、点検整備をきちんとすることで防止できるものもあるとしています。日常点検と点検整備記録簿の根拠は日常点検・定期点検と点検整備記録簿、日常点検の点検箇所は運行前点呼で報告する事項と日常点検の点検表で確認できます。車に手を加えた場合の禁止事項と整備命令は不正改造の禁止と整備命令にあります。

車両火災予防運動の推進項目(消防庁・国土交通省)

令和7年車両火災予防運動実施要綱の推進項目のうち、自動車に関わる項目
要綱の項目運転者への当てはめの一例
危険物品の車両内への持込み禁止荷室や運転席に何を積んでいるかを積み込み前に確かめる
車両からのたばこの投げ捨て防止たばこの火を車の外へ捨てない
消火器設置義務車両の消火器の点検整備と取扱方法の習熟、車両への消火器設置の普及促進車に消火器を積んでいるか、使い方を知っているかを確かめる
車両の内燃機関、電気系統等の点検整備エンジンルームと電気系統の異常を日常点検で見つける

右欄は、要綱の項目を運転の場面に置き換えた読み方の一例で、要綱に書かれた文言ではありません。要綱は、消火器の設置が義務づけられる車両の範囲や、持込みを禁じる危険物品の一覧を示していません。

給油中の火災を防ぐ(消防庁)

消防庁の広報「消防の動き」2018年12月号は、セルフスタンドで運転者が給油するときに次の点に注意するよう求めています。

セルフスタンドの給油中の主な注意事項(消防庁の広報)
注意事項
静電気除去シート等により、静電気を十分に除去する(冬場は衣服等で帯電しやすい)
車に給油する油種を十分に確認する
ライター、たばこ等の火気は使用しない
ガソリンの容器への小分けは行わない

広報は、計量機に表示されている給油方法と注意事項を必ず読むこと、不明な点は計量機付近のインターホンでスタンドの従業員に問い合わせることも挙げています。計量機の表示には「給油中エンジン停止」などの保安事項を書くよう、消防庁が各消防本部へ通知した経緯も同じ広報に書かれています。

火災が起きたときの事故報告と記録

自動車事故報告規則第2条第一号は、自動車が転覆し、転落し、火災(積載物品の火災を含む)を起こし、又は鉄道車両と衝突し、若しくは接触したものを「事故」に挙げています。第3条第1項は、事故があった日から30日以内に事故報告書を提出するよう定めています。この規則は事業用の貨物軽自動車にも適用されます。提出先と24時間以内の速報の範囲は自動車事故報告書と速報で確認できます。

営業所に残す事故の記録は事故の記録の記載事項・保存期間、事故が起きた直後の順番は事故が起きたときの対応の流れで確認できます。

確認できていないこと

  • 貨物軽自動車の車両火災の件数・原因の公的な分析。国土交通省の分析資料は事業用バスが対象です
  • 荷室に積んではいけない可燃物の一覧と、携行缶・スプレー缶・ライターの扱いの基準
  • 火災が起きた個別のケースが、事故報告書の対象に当たるかどうかの判定。管轄の運輸支局等に確認してください
  • 消火器の設置義務が、貨物軽自動車に及ぶかどうか

よくある質問(事故報告・給油・危険物)

出典は国土交通省「車両火災事故」のページ、消防庁の令和7年2月5日付通知(令和7年春季全国火災予防運動の実施について)の別紙2と広報「消防の動き」2018年12月号、自動車事故報告規則(accident-report.html の確認に基づく)で、2026年10月14日に本ページの記載を確認しました。

Q1. 車両火災は、自動車事故報告書の対象になりますか。
A. 規則第2条第一号は火災(積載物品の火災を含む)を事故に挙げ、第3条第1項は事故のあった日から30日以内の報告書の提出を定めています。個別の事故が対象かは、管轄の運輸支局等へ確認してください。

Q2. セルフスタンドで給油するとき、何に注意しますか。
A. 消防庁の広報は、静電気を十分に除去すること、油種を確認すること、火気を使わないこと、ガソリンの容器への小分けをしないことを挙げています。

Q3. 車内や荷室に持ち込んではいけない物の一覧はありますか。
A. 確認した資料に一覧はありません。車両火災予防運動の実施要綱が、推進項目として「危険物品の車両内への持込み禁止」を挙げています。

公式根拠

国土交通省: 車両火災事故、消防庁: 令和7年春季全国火災予防運動の実施について(別紙2 令和7年車両火災予防運動実施要綱)、消防庁: セルフスタンドにおける安全な給油について(消防の動き 2018年12月号)を、2026年10月14日に確認しました。

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