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貨物軽自動車の点検には、道路運送車両法が使用者に求める点検と、貨物自動車運送事業輸送安全規則が事業者に求める点検があります。このページは、日常点検と定期点検の根拠、点検整備記録簿の記載事項、保存期間を条文の文言で並べます。
自分の車両の点検の根拠と、記録簿の保存期間が、どの号に当たるかを運輸支局等に確かめれば、このページの確認は終わりです。
このページは個別の車両の区分を判断しません。区分は、管轄の運輸支局等または整備事業者に確認してください。
日常点検の根拠
道路運送車両法第四十七条の二第1項は、自動車の使用者に、走行距離や運行時の状態から判断した適切な時期に、国土交通省令の基準で、灯火装置の点灯、制動装置の作動などを目視等で点検するよう定めています。点検の結果、保安基準に適合しなくなるおそれがあるときは、必要な整備をします(同条第3項)。
同条第2項は、第四十八条第1項の第一号・第二号の自動車について、使用者または運行する者に「一日一回、その運行の開始前」の点検を求めています。
事業者と運転者の役割は、貨物自動車運送事業輸送安全規則に定めがあります。同規則第十七条第二号は、運転者に、第四十七条の二第1項・第2項の点検を実施するか、その確認をするよう求めています。貨物軽自動車運送事業は、貨物自動車運送事業法第二条により「貨物自動車運送事業」に含まれます。
日常点検で不具合を見つけたときの扱い
タイヤ・ブレーキ・灯火を見る箇所と項目は、国土交通省の実施マニュアルの表を運行前点呼で報告する事項と日常点検の点検表に載せています。ここでは、点検で不具合を見つけたとき、条文が何を求めているかを並べます。
| 場面 | 条文 | 条文が求めること |
|---|---|---|
| 点検の結果、基準に合わない状態だった | 道路運送車両法第四十七条の二第3項 | 使用者は、保安基準に適合しなくなるおそれがある状態または適合しない状態にあるとき、必要な整備をする |
| 車を基準に合う状態に保つ | 同法第四十七条 | 使用者は、点検をし、必要に応じ整備をすることで、保安基準に適合するように維持する |
| 走行中に重大な故障を見つけた | 輸送安全規則第十七条第三号の二 | 運転者は、重大な故障を発見し、または重大な事故が発生するおそれがあると認めたときは、直ちに運行を中止し、事業者に報告する |
灯火やブレーキなど、保安基準の対象になる装置に不具合があるまま走ってよいかは、条文の文言だけでは一律に決められません。第四十七条の二第3項は「整備をしなければならない」と定め、整備を終えるまで走ってよい不具合の範囲は示していません。迷うときは、整備工場や管轄の運輸支局等へ確認してください。
輸送安全規則第十七条第三号の二の「重大な故障」に、どの不具合が当たるかの定義は、確認した条文に見つかりませんでした。
定期点検の根拠と周期
第四十八条第1項は、使用者が定期に点検する期間を、自動車の区分ごとに分けています。
| 号 | 対象 | 期間 |
|---|---|---|
| 第一号 | 自動車運送事業の用に供する自動車、車両総重量八トン以上の自家用自動車ほか省令で定める自家用自動車 | 三月 |
| 第二号 | 自家用有償旅客運送の自家用自動車ほか省令で定める自家用自動車 | 六月 |
| 第三号 | 前二号以外の自動車 | 一年 |
注意したい点があります。同法第二条第7項は、「自動車運送事業」から「貨物軽自動車運送事業」を除いています。このため、第一号の「自動車運送事業の用に供する自動車」の文言だけでは、事業用の貨物軽自動車は含まれません。一方で第一号には、省令で定める自家用自動車も含まれます。事業用の貨物軽自動車がどの号に当たるかは、確認した条文だけでは決められていません。
事業者の定めも別にあります。輸送安全規則第三条の三第一号は、貨物自動車運送事業者に、使用条件を考慮して定期に行う点検の基準を作成し、それに基づいて点検と必要な整備をするよう求めています。
点検整備記録簿の記載事項
第四十九条第1項は、使用者に、点検整備記録簿を自動車に備え置き、第四十八条の点検または整備をしたときは、遅滞なく次の事項を記載するよう定めています。
- 点検の年月日
- 点検の結果
- 整備の概要
- 整備を完了した年月日
- 国土交通省令で定める事項
省令で定める事項は、自動車点検基準第四条第1項にあります。車台番号など車両を特定する番号(登録自動車は自動車登録番号、指定を受けた自動車は車両番号、その他は車台番号)、点検または特定整備時の総走行距離、点検・整備を実施した者の氏名または名称と住所です。実施した者が使用者本人なら、氏名または名称だけです。
輸送安全規則第三条の三第二号は、事業者が点検・整備をしたとき、第四十九条に準じて記録簿に記載し、保存するよう求めています。
点検整備記録簿の保存期間
第四十九条第3項は、保存期間を国土交通省令に委ねています。自動車点検基準第四条第2項は、記載の日から次の期間と定めています。
| 自動車点検基準第二条の号 | 対応する道路運送車両法第四十八条第1項の号 | 保存期間 |
|---|---|---|
| 第一号〜第四号 | 第一号・第二号 | 一年間 |
| 第五号・第六号 | 第三号 | 二年間 |
運転者や運行の記録など、ほかの記録の保存期間は記録の保存期間の一覧で整理しています。車両のリコールや不具合が分かったときの確認はリコール・車両不具合が分かったときの確認にあります。改造で保安基準に合わなくなる場合の禁止規定と整備命令は不正改造の禁止と整備命令で整理しています。
確認できていないこと
- 事業用の貨物軽自動車が、第四十八条第1項の第一号から第三号のどれに当たるか。
- 日常点検の結果を記録として残す義務が、確認した条文以外にあるか。
- 記録簿の公式の様式例。
点検の様式例や日常点検表は、記録の種類と運転者台帳・事故記録のページで触れた国土交通省の安全対策ページで確認できます。このデスクは日常点検の実施・記録・保管そのものは扱いません。
条文・公式資料の文言
| 出典 | 文言 |
|---|---|
| 道路運送車両法第四十七条の二第2項 | 「次条第一項第一号及び第二号に掲げる自動車の使用者又はこれらの自動車を運行する者は、前項の規定にかかわらず、一日一回、その運行の開始前において、同項の規定による点検をしなければならない。」 |
| 同法第二条第7項 | 「この法律で「自動車運送事業」とは、道路運送法による自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業を除く。)をいい、」 |
| 同法第四十九条第1項 | 「自動車の使用者は、点検整備記録簿を当該自動車に備え置き、当該自動車について前条の規定により点検又は整備をしたときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載しなければならない。」 |
| 自動車点検基準第四条第2項 | 「点検整備記録簿の保存期間は、その記載の日から、第二条第一号から第四号までに掲げる自動車にあつては一年間、同条第五号及び第六号に掲げる自動車にあつては二年間とする。」 |
| 貨物自動車運送事業輸送安全規則第三条の三第二号 | 「前号の点検及び整備をしたときは、道路運送車両法第四十九条の規定に準じて、点検及び整備に関する記録簿に記載し、これを保存すること。」 |
よくある質問
Q1. 貨物軽自動車でも日常点検は必要ですか。
A. 道路運送車両法第四十七条の二第1項は、自動車の使用者に、適切な時期に目視等で点検するよう定めています。貨物自動車運送事業輸送安全規則第十七条第二号は、事業用自動車の運転者に、この点検を実施するか、実施されたことを確認するよう定めています。
Q2. 日常点検は毎日しなければなりませんか。
A. 第四十七条の二第2項が「一日一回、その運行の開始前」と定めるのは、第四十八条第1項第一号・第二号の自動車です。事業用の貨物軽自動車がこの二つの号に当たるかは、このページでは判断できていません。当たらない場合は、第1項の「適切な時期」で点検します。
Q3. 点検整備記録簿には何を書きますか。
A. 道路運送車両法第四十九条第1項は、点検の年月日、点検の結果、整備の概要、整備を完了した年月日を挙げ、自動車点検基準第四条第1項が、車台番号等、点検時の総走行距離、点検・整備を実施した者の氏名又は名称を加えています。
Q4. 点検整備記録簿は何年保存しますか。
A. 自動車点検基準第四条第2項は、記載の日から、第二条第一号から第四号の自動車は一年間、第五号・第六号の自動車は二年間としています。第五号は、第四十八条第1項第三号(一年ごとの点検)の二輪以外の自動車です。どの号に当たるかは車両ごとに確認してください。
Q5. 日常点検の結果も記録簿に残す義務がありますか。
A. 確認した条文では、第四十九条の記録簿に記載する対象は、第四十八条の定期点検・整備をしたときです。日常点検の結果を記録する義務は、確認した条文に見つかりませんでした。管轄の運輸支局等へ確認してください。
回答は本文と同じ条文で確認した範囲です(2026年10月14日確認)。
公式根拠
条文は、e-Gov法令検索の道路運送車両法(第二条・第四十七条の二・第四十八条・第四十九条)、自動車点検基準(第一条・第二条・第四条)、貨物自動車運送事業輸送安全規則(第三条の三・第十七条)、貨物自動車運送事業法(第二条)で確認しました(2026年10月14日)。個別の車両の区分と点検の周期は、管轄の運輸支局等へ確認してください。
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