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事故の記録は、事業用自動車に係る事故が発生したときに作成し、営業所で3年間保存する記録です。国土交通省は貨物軽自動車運送事業者向けに、Excel形式の「事故記録の様式例」を公開しています。このページでは、その様式例の欄を整理し、架空の物損事故1件を書き込んだ例を示します。
様式例の欄の見方と、原因・再発防止対策がまだ決まっていないときの書き方、物損事故1件の書き方を確認すれば、このページの確認は終わりです。
どの項目を記録する義務があるかは、事故の記録の記載事項8項目・保存期間3年で確認できます。
様式例にある欄
様式例の表題は「事故の記録」で、「(保存期間:3年)」と書かれています。「事故の記録」のシートに確認できた欄は次のとおりです。
表は横にスクロールできます。
| 様式例の欄 | 記入する内容 | 対応する記載事項(当サイトの整理) |
|---|---|---|
| 作成日 | 記録を作った年月日 | 号の定めなし |
| 運転者の氏名、車両番号 | 事故を起こした運転者と車両 | 一号(氏名)、二号(車両の識別) |
| 事故の発生日時 | 年月日と時刻 | 三号 |
| 事故の発生場所 | 場所。地図の画像を別に記録・保存する方法でもよいと注記されている | 四号 |
| 事故の当事者(運転者を除く)の氏名 | 運転者以外に当事者がいる場合に記載 | 五号 |
| 事故の概要:当時の状況、事故の種類、道路等の状況、当時の運行計画、損害の程度 | 5つの小欄に分けて書く。事故の種類・道路等の状況・損害の程度は、別紙の区分に沿って記録してもよいと注記されている | 六号(損害の程度を含む) |
| 事故の原因 | 原因 | 七号 |
| 再発防止対策 | 講じる対策。原因が明らかになってから講じる場合の書き方は下で説明する | 八号 |
様式例には「事故の記録は、事故報告規則別記様式を活用して行うこともできる」という注記があります。また、様式例のファイルには「別紙」(事故の種類・道路等の状況・損害の程度の区分)と、「(参考)別紙第2条に該当する事故」(国土交通大臣への報告が要る事故の一覧)、「記載例」のシートも含まれています。
様式例の注記にある書き方
「記載例」のシートの注記には、次の書き方が示されています。
- 当時の状況: いつ、どこで、だれが、どのような事故を起こし、結果どうなったかを書く。けが人や物損があればその内容も書く。
- 事故の種類: 物損、人身事故などを書く。物損であれば何とぶつかったかを書く。
- 当時の運行計画: 発地、経由地、着地を書く。
- 損害の程度: 当該事故があったときの医師の診断結果に基づき記入することを原則とする。死亡については、事故の発生後24時間以内に死亡したものとする。
- 再発防止対策: 事故の原因が明らかになってから講ずることとしている場合は、「原因究明結果待ち」と記入し、緊急的に講じた対策も記入する。
物損事故1件の架空の記入例
次の例は、このページのために作った架空の事故です。氏名・番号・地名は実在のものではありません。国土交通省の記載例のサンプル値の転記でもありません。事故の発生から数日後、原因の調べが済んでいない段階で一度記録した、という想定にしています。
表は横にスクロールできます。
| 様式例の欄 | 記入例 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 作成日 | 令和8年10月14日 | 記録を作った日。事故の日とは別でもよい |
| 運転者の氏名、車両番号 | 運転者A、車両番号は架空の番号を記入 | 車両を識別できる表示であればよい(二号) |
| 事故の発生日時 | 令和8年10月12日 14時20分ごろ | 正確な時刻が分からないときは、分かる範囲で書く |
| 事故の発生場所 | ○○県○○市の配達先Dの駐車場内。地図の画像を別に保存 | 地図の画像を別に記録・保存する方法も、様式例で認められている |
| 事故の当事者(運転者を除く) | 配達先Dの来客(駐車していた乗用車の所有者) | 運転者以外に当事者がいる場合に書く。個人名は自社の管理ルールに沿って扱う |
| 当時の状況 | 運転者Aは配達先Dの駐車場でバックして駐車する際、後方の確認が不十分で、駐車中の乗用車の左前部にバンパーを接触させた。けが人はいなかった | いつ、どこで、だれが、どのような事故を起こし、結果どうなったかを書く |
| 事故の種類 | 物損事故(駐車中の乗用車との接触) | 何とぶつかったかを書く |
| 道路等の状況 | 配達先の私有地の駐車場。路面は乾いていた。天候は曇り | 道路の幅や路面の状態など、当時の状況を書く |
| 当時の運行計画 | 8時出庫、午前に集貨先2か所を回り、午後は配達先D含む5か所に配達、18時帰庫の予定 | 発地・経由地・着地を書く |
| 損害の程度 | 当社の車両: 後部バンパーに擦り傷。相手の乗用車: 左前部バンパーに傷。死傷者なし | 人の損害は、医師の診断結果に基づいて書くのが原則 |
| 事故の原因 | 原因究明結果待ち(ドライブレコーダーの映像と運転者への聞き取りを確認中) | 調べが済んでいないときは、その旨を書いてよい(再発防止対策の注記と同じ扱い) |
| 再発防止対策 | 原因究明結果待ち。緊急の対策として、駐車場でバックする際は降車して後方を目視する運用を、全運転者へ当日中に周知した | 様式例の注記のとおり、「原因究明結果待ち」と緊急対策の両方を書く |
この例のような物損事故が、国土交通大臣への事故報告書の対象かどうかは、自動車事故報告規則の類型で決まります。事故報告書と速報の対象・期限で確認し、判断に迷う場合は管轄の運輸支局等に確認してください。様式例を使うことが義務かどうかも、国土交通省のページで明示は確認できていません。
原因が分かったあとの記録
上の例のように「原因究明結果待ち」と書いた場合、原因が分かった時点で原因と再発防止対策を書き足す運用が想定されます。書き足しの期限や方法は、条文や様式例からは確認できていないため、このページでは断定しません。自社の記録の直し方は、管轄の運輸支局等に確認してください。
書き間違えやすい点
- 運転者以外の当事者がいない事故(単独の事故など)では、当事者の欄は書くべき相手がいません。いるのに書き漏らす場合と区別してください。
- 損害の程度は、人の損害について医師の診断結果に基づくのが原則です。自己判断で軽く書かないでください。
- 事故の記録は、国へ出す事故報告書とは別の記録です。報告書を出した事故でも、営業所で3年間保存する記録は別に必要です。
よくある質問
Q1. 事故の記録の様式例は、国土交通省が公開していますか。
A. はい。国土交通省は貨物軽自動車運送事業者向けに、Excel形式の「事故記録の様式例」を公開しています。表題は「事故の記録」で、保存期間は3年と書かれています。様式例を使うことが義務かどうかは、国土交通省のページで明示は確認できていません。
Q2. 事故の原因がまだ分からないときは、どう書きますか。
A. 様式例の「記載例」シートの注記では、事故の原因が明らかになってから再発防止対策を講ずる場合は「原因究明結果待ち」と記入し、緊急的に講じた対策も記入するとされています。原因が分かった後の書き足しの期限や方法は、条文や様式例から確認できていません。
Q3. 損害の程度は、どう書きますか。
A. 様式例の注記では、当該事故があったときの医師の診断結果に基づき記入することを原則とし、死亡は事故の発生後24時間以内に死亡したものとするとされています。
Q4. 事故報告書を出した事故でも、事故の記録は必要ですか。
A. 事故の記録は、国へ出す事故報告書とは別の記録で、営業所で3年間保存します。物損事故が事故報告書の対象かどうかは自動車事故報告規則の類型で決まるため、迷う場合は管轄の運輸支局等へ確認してください。
Q5. このページの記入例は、実際の事故の書き方として、そのまま使えますか。
A. いいえ。記入例は、このページのために作った架空の事故で、書き方の見本です。国土交通省の記載例の転記でもなく、記録や報告の要否の判定でもありません。
回答は本文と同じ条文・公式資料で確認した範囲です(2026年10月9日確認)。様式例の欄と注記は、国土交通省の貨物軽自動車運送事業における安全対策ページの「事故記録の様式例」で確認しました。
次に確認すること
事故の直後から3年保存までの順番は事故対応の流れ、事故を起こした運転者への特別な指導は事故惹起運転者への特別な指導、記録全体の保存期間は記録の保存期間一覧で確認できます。業務記録・運転者等台帳・事故の記録の3つを欄と保存期間で並べた表は記録3種の見比べにあります。
公式根拠
様式例の欄と注記は、国土交通省の貨物軽自動車運送事業における安全対策ページにある「事故記録の様式例」(Excelファイル)で、2026年10月9日に確認しました。記載事項・保存期間は、e-Gov法令検索の貨物自動車運送事業輸送安全規則(第九条の二)で確認できます。
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