義務付けの対象は乗用車(定員10人未満)
令和7年6月17日の国土交通省の発表は、電気自動車を含むオートマの乗用車(クラッチペダルのない乗用車)に装置を備えることを義務づけます。別紙の「対象車両」欄は「運転者がクラッチ操作を必要としない乗用車(乗車定員10人未満)」で、適用は令和10年9月1日(輸入車は令和11年9月1日)以降の新型車です。
貨物軽自動車の語は、この別紙の対象車両欄にありません。すでに使っている車は、義務付けの有無にかかわらず、車両に装置が付いているかを自社で確かめる必要があります。
認定された2製品はどちらも、必ず運転者自身がブレーキペダルを踏んで停車するよう書いています。装置が付いていても、運転者の操作が不要になるわけではありません。衝突被害軽減ブレーキが作動しない状況は、衝突被害軽減ブレーキが作動しない状況と過信の注意で確認できます。
義務付けの試験条件(別紙の数値)
| 項目 | 別紙の記載 |
|---|---|
| 試験のやり方 | 障害物の手前1.0mと1.5mに停止し、ブレーキオンの状態からアクセルをフルストロークまで踏み込む |
| 急発進抑制の合格条件 | 障害物に衝突しない。または、衝突時の速度が8km/hを超えず、障害物がない状態に比べて30%以上速度が低下している |
| 警報 | 視覚警報が必須 |
| 機能の解除 | 解除中は運転者に表示する。機能の復帰条件を定める |
試験は停止状態からの全開の踏み込みで、障害物までは最大1.5mです。走行中の踏み間違いや、1.5mより遠い障害物は、この試験条件の範囲外です。
認定された後付け装置2製品の作動条件
令和2年7月1日に国土交通省が初めて認定した、後付けのペダル踏み間違い急発進等抑制装置2製品の添付資料から、運転者に伝えられる数値を抜き出します。
| 項目 | トヨタ自動車「踏み間違い加速抑制システムⅡ」 | ホンダアクセス「踏み間違い加速抑制システム(08Z35-PM0)」 |
|---|---|---|
| 前方に障害物がある場合 | 発進時または車速約10km/h以下で、進行方向約3m以内に障害物があり、一定以上アクセルを踏むと作動 | 発進時または車速10km/h以下で、進行方向約3m以内に障害物があり、一定以上アクセルを踏むと作動 |
| 前方に障害物がない場合 | 車速約30km/h以下でアクセルを強く踏むと作動 | 障害物がない場合の作動は書かれていない |
| 後退時 | 障害物の有無に関わらず、ペダルが強く踏み込まれたと検知すると出力を抑制。後方の障害物検知機能なし | 同左(後方の障害物検知機能なし) |
| 解除の条件 | 停車、またはアクセルを約5秒以上踏み続ける | 停車、またはアクセルを約4秒以上踏み続ける |
| 作動しない場面 | 前方に障害物がない場合、ウィンカーを出しながらの発進・加速、急な登坂での発進、ブレーキペダルを離して2秒以内のアクセル操作 | 登坂路や右折時に前方車両へ接近してアクセルを強く踏むと、作動する場合がある |
対象となる車種と装着できる車の範囲は、製品ごとの案内ページで確かめます。認定は、認定を受けた事業者が指定する取付け事業者による取付けが前提で、それ以外で取り付けた装置は認定の対象外です。
運転者に伝える確認項目
| 確認すること | 根拠 |
|---|---|
| 自社の車に装置が付いているか。付いていれば製品名と取扱説明書の作動条件 | 令和2年の添付資料(使用前に取扱説明書等で必ず確認) |
| 後退時は、後方の障害物を装置が検知しないこと | 2製品とも「後方の障害物検知機能なし」 |
| 荷下ろしで障害物まで約3m以内に寄せるとき、強く踏むと出力が抑制される場面があること | 前方の作動条件(約3m以内・約10km/h以下) |
| 装置を止めたいときは停車して機能オフスイッチを押すこと | 2製品とも同じ記載 |
| 後付け装置は指定の取付け事業者で取り付け、説明を受けたか | 認定の前提と対象外の注記 |
運転者の義務は道路交通法第七十条にあり、ハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作することを求めています。踏み間違いを防ぐ運転操作そのものの手順は、確認した資料には書かれていません。
駐車や荷下ろしの場面の確認は配送中の駐車、後退時の確認は後退時の安全確認、運転者への指導の考え方は一般的な指導及び監督にあります。
次に確認するページ
運行前の車両の確認は運行前の確認チェックリスト、リコールの確認はリコール・車両不具合の確認で確認できます。
よくある質問(対象車両・作動条件・停車)
出典は国土交通省の報道発表資料(令和2年7月1日、令和7年6月17日)とその別紙・添付資料、道路交通法(e-Gov法令検索)で、2026年10月14日に本ページの記載を確認しました。
Q1. 踏み間違い加速抑制装置の義務付けの対象車両は何ですか。
A. 別紙は、運転者がクラッチ操作を必要としない乗用車(乗車定員10人未満)とし、令和10年9月1日(輸入車は令和11年9月1日)以降の新型車に義務づけると書いています。
Q2. 認定された後付け装置は、後ろの障害物も検知しますか。
A. 後退時は障害物の有無に関わらずペダルが強く踏み込まれたと検知した場合に出力を抑制するもので、後方の障害物検知機能はないと書かれています。
Q3. 装置が作動しない場面はありますか。
A. トヨタ自動車の製品では、前方に障害物がない場合にウィンカーを出しながらの発進・加速、急な登坂での発進、ブレーキペダルを離してから2秒以内のアクセル操作で作動しないと書かれています。
Q4. 装置が作動したら車は自動で止まりますか。
A. どちらの製品も自動で停車させる機能ではなく、運転者自身がブレーキペダルを踏んで停車するよう書かれています。
公式根拠
条文はe-Gov法令検索の道路交通法(第七十条)で、2026年10月14日に確認しました。
国土交通省の報道発表資料は、後付け急発進等抑制装置の先行個別認定を開始します(令和元年10月16日)、後付けのペダル踏み間違い急発進等抑制装置の認定結果を公表します(令和2年7月1日)、ペダル踏み間違い時加速抑制装置の搭載を義務づけます(令和7年6月17日)で、2026年10月14日に確認しました。数値は令和7年の別紙と令和2年の添付資料から取りました。
← 配送中の駐車へ戻る