結論: 別の制度で、講習も別々に受ける
「軽貨物の安全運転管理者講習」という呼び方には、道路交通法の安全運転管理者等講習(公安委員会が行う)と、貨物自動車運送事業法の貨物軽自動車安全管理者講習(国土交通省に登録された講習機関が行う)の2つが混ざっています。一方の修了で他方の要件を満たすと定めた条文は、確認した範囲にありません。
- 貨物軽自動車運送事業の届出をしている: 営業所ごとに貨物軽自動車安全管理者の選任が必要です。選任前に登録講習機関の講習を受けます(選任・講習・届出の確認順序)。
- 事業所で使う自動車が一定台数以上ある: 事業者の種別にかかわらず、道路交通法の安全運転管理者の選任対象になり得ます。この講習は公安委員会の案内に従います。
出典: e-Gov法令検索(道路交通法第74条の3・第108条の2、同法施行規則第9条の8・第9条の9・第38条、貨物自動車運送事業法第36条の2)、2026年10月12日確認。個別の該当は管轄の警察署・運輸支局等で確認してください。
検索で見かける2つの言い回しと制度の対応
| 言い回し | 指す制度 | 根拠法 | 講習の実施者 |
|---|---|---|---|
| 軽貨物の安全運転管理者講習 | 安全運転管理者(一定台数以上の自動車を使う事業所が選任) | 道路交通法 | 公安委員会 |
| 軽貨物自動車安全管理者講習(正式名称は貨物軽自動車安全管理者講習) | 貨物軽自動車安全管理者(貨物軽自動車運送事業者が営業所ごとに選任) | 貨物自動車運送事業法 | 国土交通省に登録された講習機関 |
出典: e-Gov法令検索(道路交通法第74条の3、貨物自動車運送事業法第36条の2)、2026年10月12日確認。
2つの制度の比較表
表は横にスクロールできます。
| 項目 | 安全運転管理者 | 貨物軽自動車安全管理者 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 道路交通法第74条の3 | 貨物自動車運送事業法第36条の2 |
| 選任する単位 | 自動車の使用の本拠ごと | 営業所ごとに1人 |
| 選任が必要になる条件 | 乗車定員11人以上の自動車は1台、その他の自動車は5台以上(大型・普通自動二輪は1台を0.5台と数える) | 貨物軽自動車運送事業を経営していること(バイク便事業者を除く) |
| 選任できる人の要件 | 20歳以上(副安全運転管理者が置かれる場合は30歳以上)で、運転管理の実務経験2年以上(公安委員会の教習修了者は1年以上)など | 登録講習機関の貨物軽自動車安全管理者講習を選任の日前2年以内に修了した人など(運行管理者として選任されている人は講習の修了要件なし) |
| 届出先と期限 | 使用の本拠を管轄する公安委員会へ、選任した日から15日以内 | 国土交通大臣(運輸支局等)へ、遅滞なく |
| 講習を行う者 | 公安委員会(道路交通法第108条の2) | 国土交通省の登録を受けた講習機関 |
| 講習の受け方 | 公安委員会から講習を行う旨の通知を受けたとき、使用者が受けさせる(第74条の3第9項)。時間は安全運転管理者で6時間以上10時間以下(施行規則第38条) | 選任前に受ける講習と、選任後2年以内の一定期間ごとの定期講習(定期講習の起算点) |
| 講習機関を探す先 | 管轄の都道府県警察(公安委員会)の案内 | 国土交通省の登録講習機関一覧(講習機関の比較) |
道路交通法第74条の3第1項は、道路運送法の自動車運送事業者を選任義務の対象から除いています。ただし、その括弧書きは貨物自動車運送事業法の貨物軽自動車運送事業を経営する者を除外から外しています。貨物軽自動車運送事業者は、使用の本拠ごとの台数が前記の台数以上なら、安全運転管理者の選任義務の対象になり得ます。台数に何を含めるかなど、自社の場合の扱いは使用の本拠を管轄する警察署等で確認してください。
自分に要る講習の見分け方
- 貨物軽自動車運送事業の届出をしているか確認する
している場合は、営業所ごとの貨物軽自動車安全管理者の選任と、その候補者の講習が必要です。講習機関は貨物軽自動車安全管理者講習の機関比較で費用・オンライン可否・開催地域を比べられます。
- 事業所で使う自動車の台数を数える
乗車定員11人以上の自動車は1台、その他の自動車は5台以上で、安全運転管理者の選任対象になり得ます。台数の数え方に迷う場合は警察署等へ確認します。
- すでに安全運転管理者を選任している場合は、公安委員会の通知を確認する
安全運転管理者等講習は公安委員会が実施し、受講は通知に基づきます。貨物軽自動車安全管理者講習の修了とは別の手続です。
よくある質問(講習の混同・選任の条件)
出典は道路交通法・同法施行規則・貨物自動車運送事業法(e-Gov法令検索、2026年10月12日確認)です。
Q1. 軽貨物で「安全運転管理者講習」を受ければ、貨物軽自動車安全管理者の選任前講習の代わりになりますか。
A. なりません。安全運転管理者等に対する講習は道路交通法第108条の2に基づき公安委員会が行う講習で、貨物軽自動車安全管理者講習は貨物自動車運送事業法に基づき国土交通省の登録を受けた講習機関が行う講習です。根拠法も実施者も別で、どちらかの修了が他方の要件を満たすと定めた条文は、確認した範囲にはありません。
Q2. 軽貨物の事業者は、安全運転管理者も選任する必要がありますか。
A. 道路交通法第74条の3第1項は、バスやトラックなどの自動車運送事業者を選任義務の対象から除く一方で、その括弧書きの中で貨物軽自動車運送事業を経営する者は除く対象から外しています。このため、貨物軽自動車運送事業者も、使用の本拠ごとの自動車の台数が内閣府令の定める台数以上であれば、安全運転管理者の選任義務の対象になり得ます。自社の台数での該当は、使用の本拠を管轄する警察署等で確認してください。
Q3. 安全運転管理者の選任に要る台数は何台ですか。
A. 道路交通法施行規則第9条の8は、乗車定員11人以上の自動車は1台、その他の自動車は5台と定めています。大型自動二輪車と普通自動二輪車は1台を0.5台として数えます。副安全運転管理者は、20台以上の自動車を使用する本拠で選任します。
次に確認すること
貨物軽自動車安全管理者の選任から届出までは安全管理者の選任・講習・届出、講習機関の費用や開催地域は貨物軽自動車安全管理者講習の機関比較、選任後の講習は定期講習の対象と期限で確認できます。
公式根拠
条文は、e-Gov法令検索の道路交通法(第74条の3・第108条の2)、道路交通法施行規則(第9条の8・第9条の9・第38条)、貨物自動車運送事業法(第36条の2)で確認できます。貨物軽自動車安全管理者講習の登録機関は、国土交通省の登録講習機関一覧に掲載されています。
← 自分の対応順へ戻る